年齢と受精率 | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

高齢だと殻が硬いとか、ついつい不安だから顕微授精を選んでしまう傾向があります。

ただ本当に体外受精では受精しないのでしょうか。

 

これに関して先日の受精着床学会で年齢により体外受精による受精率を調べている演題がありました。

 

35歳以下、36〜39歳、40〜42歳、43歳以上で受精率を調べたところ各群間で有意差を認めませんでした。

 

また周期あたりのキャンセル率(体外受精で正常な受精が得られないこと)も各群間で有意差を認めませんでした。

 

つまり高齢だから顕微授精を選ぶということは正しい判断ではないということになります。

 

顕微授精はあくまで男性因子か受精障害がある場合にのみ選択すべきと言えます。

 

高齢なると顕微授精か体外受精か