体外受精は異常児が増える? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

体外受精は奇形や発達障害が増えると聞いたことがあると知り合いが言っています。

本当に体外受精や顕微授精により発達障害や先天異常の確率が高くなるデータはあるのでしょうか?

 
この様なご質問がありましたのでお答えします。
 
当然ですが、これに関してはかなり様々な研究や調査が日本を含め世界各国で行われています。
 
毎月のように生殖医療の英文の雑誌に複数の論文が掲載されています。
国内外の学会でも安全性に関して数多くの演題が発表されています。
 
日本産婦人科学会も詳細な調査を行い毎年HPに掲載して公表しています。
(すべての施設が日本産婦人科学会に報告する義務があります)
 
体外受精は歴史がまだ浅いため最高でも20才程度までの研究が多いですが、これらの研究において、現時点では体外受精や顕微授精により発達障害や先天的な異常率が有意に高くなる事は無いとされています。
 
いまだに偏見を持たれる方がいる事には驚きますが、これらは根拠がない事であり、この様な発言は気にせず、自信を持って治療を受けていただければと思います。