学会では基礎系の発表が必ずあります。農学部、獣医学部、生物学部、薬学部などの研究です。
これらの分野の研究者が生殖医療の発展に非常に大きな貢献をしています。
基礎がありその応用である臨床があります。
基礎と臨床が協力して初めて良い成果を出せる進歩が生まれてきます。
基礎系だけでは実用性に欠け応用されないこともあり、臨床だけでは奥深い部分が不確かになりえます。
どちらか一方だけでは不十分であり、過去の多くのブレークスルーは両者が見事に融合し生み出されています。
例えば、2010年ノーベル医学生理学賞を受賞した最初の体外受精の成功も、産婦人科医パトリック・ステプトーと生物学の研究者であるロバート・エドワーズによる共同研究です。
エドワーズは基礎の生物学者でありステプトーからヒト卵子の提供を受けヒト卵子の培養方法、受精方法の研究を続けました。
基礎と臨床のこの二人が出会わなければ今の体外受精はここまで順調に来ていなかったかもしれません。
今後の生殖医療のブレークスルーも間違いなく基礎と臨床のコラボから生まれると思います。