着床の窓を調べて移植の時期をずらしていくERAテストが広く行われています。
しかし根拠はかなり希薄であり、過去のブログでも度々その有用性が疑わしいという論文を紹介してきました。近年ではERAを行わない方が成績が良いとの論文も出ています。
来月号に掲載されるこの最新の論文ではさらにきつく止めるようにとの結論を述べています。
結果は以下のように明らかでありERAに従い移植した方の出産率は黄色いバーで、
ERAを使わない普通の移植(青や緑のバー)より有意に低下しています。
論文ではERAにより生まれるはずの子供が生まれないことになっており、時間や費用の面でも無駄でしかないと厳しく書かれています。
そして結論としていますぐERAはやめるべきと結論つけています。
新しい検査や技術を使いそれが出産率に差をもたらさないのであれば、メリットもデメリットもないので行うことは患者の強い希望があれば致し方ないことですが、この論文ではERAは明らかに出産率が低下すると述べています。つまりERAを行うことがデメリット(費用、時間、成績全てで)でしかなくなります。
妊娠しない原因を着床の時期のズレにあるのではと考えることは理解できますが、医学とは仮説や推測や期待で行うべきではなく、このような根拠(現実)を直視して、正しい診療を行うことが求められます。
Personalized embryo transfer reduces success rates because endometrial receptivity analysis fails to accurately identify the window of implantation
Received: February 23, 2023. Revised: April 1, 2023. Editorial decision: April 14, 2023.