先日(というか、昨日)の真名さんブログのコメント にて、
「そう言えば最後の書庫更新から1ヶ月経ってる」
という失礼なことをほざいているわたしなのですが。
我が身を振り返ってみると、自分の書庫もずいぶんと放置したまんまになっております。
(最後に更新したのは「Part-time Lover」のあと、「Left Alone」のそれまでの分を移動させたのが最後ですから……えーっと、4月?)
書庫サイト関連で言えば、Happy-smile-story さんも書庫 を作られたんだそうで、そろそろわたしもブログに置きっぱなしにしている作品を移動させなきゃな、とか考えております。
実際の話、「Left Alone」なんかはプロットがゴチャゴチャしていて、しょっちゅう確認のために読み返さなくてはならないんですが、ブログは過去記事が読みにくいんですよねえ……。
というわけで、少しずつ「Left~」の移動にも取り掛かっているのですが、その前に「ブラジリアン・ハイ・キック ~天使の縦蹴り~」 を一気に収録してしまいました。
わたしの作品移動の風物詩(?)でありますところの改稿作業は、今回はあんまりないのですが(発掘屋さんにご指摘いただいた部分をちょっと書き足してますが……)、しかし、書庫収録版はブログ版とは大きく違う印象のものとなっております。
それは、作中の人物のダイアローグが方言表記に変わっているからです。
以前、わたしは自分の作品で「福岡を舞台にしているのに全員が標準語を話している」という矛盾について、
「これは方言から標準語への翻訳小説だ」
という暴言を吐いたことがあるのですが、これは単に方言の表記が難しいとか、どうしても緊張感を維持するのが難しいとかいうだけではなくて、読者の皆さまの多くは非福岡人(わたしもそうなんですが)なわけで、やはりまるっきり方言というのは、読者の皆さまに相当な負担がかかるという部分もあるのですよね。
一人称で地の文は標準語、会話文だけ方言というのもバランスを欠きますし、するとどうしても全部を基本的に標準語とせざるを得ないわけですね。
しかし、本作「ブラジリアン・ハイ・キック ~天使の縦蹴り~」の語り手はわたしの作品中、唯一の標準語の話者なので、これなら標準語/方言が混在しても大丈夫かな、と思ったわけです。
登場人物中、標準語で話しているのは主人公・三浦亮太とその姉、終章のみ登場の恋人、そして何故か村上恭吾(この人の方言は想像がつかない……)だけです。あとの人物は全員、博多弁と福岡弁、あるいはその混在です。ほぼネイティブな博多弁をしゃべるのは真奈グランパくらいですけどね。
実際のところ、福岡の若年層はいわゆる”博多弁”は使わない(というか使えない)わけで、このあたりは「バンビ~ノ!」の主人公、伴省吾のほうが珍しい存在だと言えるんじゃないかとわたしは思います。
博多弁/福岡弁は女の子が使うと非常に可愛らしい表現(「~しよると?」など。「~しているの?」の意)がある反面、非常に語調が強いので男言葉のように聞こえる部分もあって、イントネーションが分かりにくい文字表記では難しいですね。
更に言うなら、方言には特有の中間的発音の言葉などもあるので、話がややこしくなるわけですね。
上の「しよると?」も人によっては「しようと?」「しよっと?」に聞こえる(実際にそう発音する人もいる)場合もあって、その表記法にはかなり悩まされました。
そういうわけで、同じ福岡弁でもかなり表記のゆれがありますが、読者の方で「ここはおかしいんじゃないか?」という部分を見つけた方は是非、ご連絡下さい。
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- (おっかしいな、もう8巻まで出てるのに6巻までしか画像がない……)
- (うーむ、今、ちょっと書庫のほうを読み返してみたのですが……。わざわざ変えただけの効果があったのか、そこはかとなく疑問ですねー。そのうち、こっそり標準語バージョンに戻そうかなあ?)