ウクライナの戦争はなかなか収まりそうにないな・・・。
スウェーデンにはもう既に3千人の女性や子供がウクライナから難民としてやって来ているらしい。
7年ほど前に、イスラム国に追われた大量のシリア難民のために建てた収容施設が、また役立つ時がきた。まあ、そんなものは役立つことがない方が望ましいけどね・・・。
ケータイやインターネットのお陰で、今のウクライナの悲惨な様子が、テレビニュースのみならず、個人のSNSなどでも世界中に大々的に知られるようになった。世界中の多くの人々が、ウクライナ難民支援に立ち上がっているのは頼もしい限りだ。
でも、私はちょっと気になることがあるのよね。
それはスウェーデンに住んでいる、ロシアの人々のこと。スウェーデンには以前から住んでいるウクライナ人もたくさんいるが、ロシア人はもっとたくさんいる。
プーチンは、悪いことをしている。
ウクライナを攻撃して、無辜の民を突然想像できなかったような不幸に追いやって。
でもね、それってロシアの一般人には関係ないことだと思うのよ。もちろん、プーチンを選挙で選んだのはロシアの民衆でしょう。でも、選挙そのものから不正がなかったと言い切ることはできない様子みたいだし、海外に住んでいて投票もできなかったロシア人にとってはとんだとばっちりでしょうよ。
プーチンのせいで、ロシア人である自分まで周囲に白い目で見られる・・・
そんなの不条理。でも、海外に住んでいたら、周囲は外国人だらけ。 国外ではロシア人というだけで肩身が狭い思いをしながら暮らしているのではないかと推察する。
だから私は、フェイスブックで友人となっているスウェーデン在住のロシア人二人にもお見舞いのメッセージを送っておいた。どちらも以前学校で知り合った人たちで、今も親しくしているわけではないけれど。彼女らからは感謝の返信メッセージが届いた。
あなたのような気が利く人がまだいるのがうれしいわ ・・・ (中略) ・・・ テレビのニュースを信じないで。たくさんのフェイクニュースが混じっているの ・・・
プーチン = 悪い だからといって、ロシア人 = 悪い と考え、ヘイトをどこでもかしこでも撒き散らす のは控えたいものだ。
・・・ と、私が強く考えるのは、ある体験による。
私がスウェーデンに来たばかりの頃。
元夫に連れられて、彼の幼馴染の男性に会った。二人は昔からの仲良い友達だった。
食事をしながら、元夫が私の祖母の話をしたことがあった。彼女は小さい頃満州で育ち、戦争が激しくなる前に日本に帰国したという経歴があった。そのことを元夫が幼馴染に話すと、彼は笑いながら、
へぇ〜、君のお婆さんは侵略者だったんだね!
と言ったのだ。
祖母は帰国した時、まだ5、6歳だったし、曽祖父(祖母の父)は軍人として満州にいたのではなく、ただの開拓団の一員だった。祖母が一人で日本に帰国した理由というのも、彼らが開拓していた村が中国人の賊に襲われて曽祖父母が殺されたからである。
そんな事情も知らずに、自分の聞き知っている歴史をもって失礼(だと私は思う)な言葉をうれしそうに口にする彼に恐怖を感じた。
そんなことを言ったことを、彼はとっくに忘れているだろう。当時の私はそれほどスウェーデン語が上手ではなく、反論できなかったのが残念だ。というか、そんなことを言う人がいるとは想像もしていなかった。そりゃ、中国人や韓国人がそう言うならわかるけど、なんでスウェーデン人の彼に言われないといけないのだ
・・・ ってなわけで、私は自分がメディアから見聞きした情報だけで、知ったようなことを言って特定の民族や国民を批判するようなことはすまいと決心したわけであーる。
とにかくこの戦争が早く集結して、ウクライナの人のみならず、ロシアの人も大きく安心の一息をつけるようになってほしいものだ。
(今日のスウェーデン写真)
ストックホルム市内にあるMünchenbryggeriet は、1800年代に建てられた元縫製工場。ビール醸造所を経て、今は会議場、事務所、レストランとして使われています。
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