今日、スウェーデンに住むある日本人が、国籍をスウェーデン国籍に変えたと聞いて驚いた。
スウェーデンに5年以上住んで(ここはちょっと曖昧だけど)犯罪歴と執達吏の世話になるほどの借金がなければ、スウェーデン国籍になることはできるが、日本国籍のある人なら国籍を変えようと思う人は少ないのではないかと思う。
だいたいこちらに住んでいても、無期限の居住労働許可さえ持っていれば普段の生活に困ることはない。
私の場合だが、まだ日本の実家に母が住んでいるので、もし彼女が介護が必要となった時に無期限に日本に住めないと困るなあ・・・ と思っているので国籍は変えない。
十年ぐらい前になるが、4年に一度行われるスウェーデン国県市町村の総選挙の時、近隣のショッピングセンターで「選挙に行きましょう」というキャンペーンがなされていた。選挙管理委員会に雇われた若者が、街を行く人に選挙に参加するように勧めていたのであるが、そのうちの若い黒人の女性が私に
スウェーデン国籍か?
と聞くので、
いいえ。
と答えると、
早くスウェーデン国籍になれますように!
とお祈りされてしまった。
なんじゃー、そりゃー。 日本のパスポートは世界で一番役立つのよ、あんた知らないの?
と言いたくなったが、彼女らにとっては一刻も早くスウェーデン国籍を取ることが一大事なんだろうなあ、と思ったので言わなかった。
そうそう、スウェーデン国籍がないと、国政の選挙には参加できないのよね。
でも在住5年で県と市の選挙には投票できるし。違いを感じるのはそれくらいなのだ。だから急いでスウェーデン国籍になる必要性は感じない。
もちろん日本でも二重国籍が認められるなら、スウェーデン国籍を取ってもいいなとは思うけど。
その国籍を変えたという日本人はまだ若く、スウェーデンにもそんなに長くは住んでいないはず。
それなのに、ずいぶん思い切ったことをするなあと驚いた。
その人はネットメディアその他でやたらと「スウェーデン最高!!」と喧伝しているらしい。しかし、スウェーデンに住んでいる日本人の中で、そう思っている人の方が少数派ではなかろうか。以前ツイッターで見たのだが、スウェーデンに住む日本女性の大多数が「嫌だけど仕方ないからここにいる」とアンケートに答えていた。
私はと言えば、あまりにも長く住みすぎて、不便なのだか不便ではないのかわからなくなってしまった。
でもこれが、未だに生活が安定していなかったり、愛が冷めてしまった夫と暮らしてたり、または一人暮らしでまったくの孤独だったりすると、もう仕方がないという気持ちになっていると思う。
でも、日本国籍さえ残っていれば、チャンスがあれば帰国することだってできる。そういうことを皆考えているのだと思う。
私思うに、さっさとスウェーデン国籍になってしまったその人は、日本ですごく嫌なことがあったのではないかな。
私の勝手な憶測や妄想で失礼だけど、日本の学校や職場でひどいいじめに遭っていたとか。
だから今意地になって、日本に向けて「スウェーデン天国!」的発信を繰り返すのだと思う。(天国は地上のどこにもありません)
私も日本の職場ではパワハラ、セクハラなんでもありだった。しかし、そのおかげか、
日本はいいな〜あ、日本が恋しいな〜あ
なんて思ったことは一度もない。スウェーデンで嫌な目に遭っても、
「母国でもああだったのだから、外国でこんな目に遭わされるのは無理はないw」
と思えてしまう。
日本が懐かしい人は、日本で愛され、いい思い出ばかりある、ある意味とても幸せな人なのだろう。
そういえば私達の真逆で、スウェーデン人なのに日本国籍になった村雨辰剛さんという人もいますね。
彼はスウェーデンではただの人だが、きっと日本ではすごく大事にされているのだろう。
少なくとも職場でわざと仲間外れにされたり、「おまえの日本語は下手すぎて何を言っているのかわからない」なんて言われたことはないんだろうなあ。
(今日のスウェーデン写真)
今日(日曜日)で今年の秋休みも終わり ・・・ 玄関の前に置かれたかぼちゃのランタン。
これから楽しみなのはクリスマスだな