加藤諦三 著
『心の休ませ方 40のヒント』

よりわたしが心に残っている、みんなにわかりやすく知って欲しいところだけ、抜粋。良かったら、長いですが、読んでください。

『子供が「自分で自分を守る」とは相手のお気に入りになることである。それがいわゆる「良い子」である。このいわゆる「良い子」は守られた経験がない。自分が何らかの犠牲を払わなければ人は自分に何かをしてくれないと感じている。だから、いつも人の機嫌に怯えているのである。無力な子供は人の機嫌を損ねたら自分は生きていけないと感じている。そこでいつも周囲の人の機嫌に怯えている。無力な子供は人のお気に入りになることでしか、自分の生存は維持できない。』

『うつ病になる人はうつ病になるように生きてきているのである。だからうつ病になった時には、今までの自分の生き方をもう一度ゆっくりと反省する時なのである。自分の人生に与えられた熟考の時間として捉えることである。「いまうつ病になってよかった」と思うことである。』

『人は周囲の人から「認めてもらいたい」という欲求の強さで生き方を間違える。普通の子供が何よりも望んでいるのは「思いやり」ではない。それよりも自分のしたことを「認めて」欲しいのである。』

『人がマイナスの発想をするのは、認めてもらいたいからである。愛情飢餓感がマイナス発想の原点である。』

『うつ病になるような人に今大切なのは「自分を出すこと」である。うつ病になるような人は、人から好かれようと、長いこと自分の感じ方、自分の考えなどを表現してこなかった。』

『自分の感じ方よりも周囲の人の感じ方に合わせてきた。生きることに疲れたあなたは周囲の人に受け入れられることが最も重要だったから。あなたは昔から「いい人」と言われてきたが、それで何を得たのか。生きることに疲れただけではないか。その時、気に入られればいいという生き方が、生きる喜びを奪った。長い時間を考えて動いていけない。人間は欲で滅びる。欲はいい人に思ってもらいたいという願望。愛されたい人は滅びて、愛する人は救われる。愛されようとする人は悩む。』

『憂うつは愛を求めている叫びである。憂うつになっている人は「苦しいのね」「辛いのね」とやさしく言ってくれる人を求めている。』

『生命力が低下してしまった人はあまりにも多くの悲しみや苦しみを心の底に堆積し続けて生きてきた。孤独や不安や息詰まる緊張に耐えた長年の疲労が頂点に達しているのである。長年にわたって時間に追われ、焦り、緊張して生活をしてきた。幸せを感じる能力はすでに麻痺している。もう何を言われても動けない。長いトンネルの先に明かりは見えない。』

『そのままにしていれば死んでしまうという時に、生命力の豊かな人は逃げる。生き延びようとする。しかし生命力の低下した人は逃げない。もう逃げる気力がない。逃げる気力がないからそのまま死を選ぶ。死を選ぶというより、選択する気力もなく、死んでいく。生命力が衰えているということは「もう生きなくてもいい」のである。もちろんできれば生きたい、しかし誰かが助けてくれるのでなければもう生きてはいかれない。』

『人は見える行為のみを見る。だから「もう許してあげてもいいんじゃない」と言う。しかし本人にしてみればそれは過去の出来事ではない。その悲しみや恐怖は今の悲しみであり、今の恐怖なのである。』

少しでもわかってくださったら嬉しいです。