- 島本 理生
- ナラタージュ
- 出版社 / 著者からの内容紹介
壊れるまでに張りつめた気持ち
そらすこともできない二十歳の恋
大学二年の春、片思いし続けていた葉山先生から電話がかかってくる。泉はときめくと同時に、卒業前に打ち明けられた先生の過去の秘密を思い出す。今、最も注目を集めている野間文芸新人賞作家・初の書き下ろし長編。
島本里生(しまもと・りお)
1983年東京生まれ。
・・・
1983年?! ってぇ今いくつだ??
読み終わって、なにげなく見た著者略歴に、スゴク驚いてしまった- 基本的にマリー、恋愛小説は好きではありません
(何度も言いますが)
けど、この作品は好きです。特に後半が良いです。
もっとマリーが若い頃読んだら、もっともっと共感できたんだろうなとも思いましたが。
マリーが「いいな」って思ったところは - 泉(主人公)と小野くん
- 泉が小野くんと一緒にいてワクワクしたり、ウキウキしたり、二人が寄り添っていく様子がとっても伝わってきました。二人が出会い・急に長野の実家へ旅行・付き合って・はじめて手をつないで・はじめてキスをして・・・って、ありきたりであたりまえなんだけど、泉の気持ち=女の子の気持ちがよく描かれてるなって感じました。
すごくピュアでまっすぐな泉だからこそ、共感できたんだと思います。
小野くんにもとても同情してしまいました。
好きな人を引きずったまま、違う人と付き合うって、みんな経験したことあるんじゃないかな?!
マリーが「はっ」とさせられたところは - 「これしかなかったのか、僕が君にあげられるものは。ほかになにもないのか」
- 葉山先生のセリフです。
マリーそれまで全然気付きませんでした、泉の真意に。
このあたりからポロポロ泣けてきました。
ホームでの別れのシーンも自分がその場にいるようで、ホントに感情移入してしまいました。
そしてラストのラストさらに号泣・・・
1ページ目にある言葉です
きっと子供だったから愛とは違うとかじゃなくて、
子供だったから、愛してるってことに
気付かなかったんだよ
はじめて本気で人を好きになった気持ち・・・
苦しくて、 辛くて、 ただただ会いたい って思ったあの頃の自分
思い出してください
★★★★☆