Q&A1586 25歳、流産2回 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 現在25歳ですが、タイミング法、人工授精4回で結果が出ず、昨年の10月から体外受精を開始しています。初めての採卵では25個中24個が成熟卵、そのうち前核期凍結胚が8個、胚盤胞が9個できました。
これまで凍結胚盤胞移植を行い1回目は陰性、2回目は5w~大きな絨毛膜下血腫からの出血と腹痛に悩まされ心拍確認後の8wで稽留流産、3回目は5wで胎嚢6.8mm、6wで8.3mm、7wで28mm+6mmの胎芽らしきものを確認、8wで赤ちゃんが力つき胎嚢が不鮮明でふにゃふにゃにしか見えず結局心拍も確認ができず、稽留流産となりました。

①2回目と3回目は連続して流産となっており、絨毛染色体検査はしていませんが、1度不育症の検査をした方がよろしいでしょうか。
②3回目の移植後の掻爬手術では、胎嚢らしきものが見当たらず取れなかったというような説明がありました。手術前に流れてしまった可能性を指摘されましたが、ずっとおりものに出血が混じる(少量)程度で強い腹痛や塊が出てくることはありませんでした。2cm近くあった胎嚢が掻爬手術で見当たらず取れなかったということはどのようなことが考えられるのでしょうか。
③十分な組織がとれず絨毛染色体検査はできないと言われましたが、私自身1800gくらいの低出生体重児で生まれていること、主人は片耳難聴で不整脈?(3音があり、歳をとれば聞こえなくなると言われている)があり夫婦の先天的な染色体異常があるかもしれないと漠然と不安に思っています。夫婦の染色体検査も視野に入れた方がよろしいでしょうか。

 

A 

①米国の不育症の基準は流産2回ですので、不育症検査をする意義はあると思います。

②胎嚢ではないものを胎嚢としていた可能性と、オペの際にエコーガイド下に処置をしていなかったため、はっきりしなかった可能性があります。

③これまで通常の生活ができている方に、とんでもない染色体異常が見つかることはありません。見つかるとすれば、転座です。ご心配でしたら、一度夫婦染色体検査をされてみてはいかがでしょうか。