Q&A1767 上皮内がん術後、子宮内膜症、第2子希望 | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 私は元々、婦人科系の既往歴が多くあります。

27歳 子宮頸部上皮内がん⇨円錐切除、以降再発なし

28歳 二度卵巣出血⇨排卵に起因するもの、自然軽快

子宮内膜症・子宮腺筋症(直腸側に癒着ありと婦人科で言われ排便痛もありました)のため、ロキソニンを1日3回服用(月経4日目まで飲む程の痛み)、月経量の増加があり、ヤーズを29歳から1年半内服しました。その甲斐あってか30歳で結婚する頃にはエコー上、内膜症など全く分からないと婦人科医にも言われる状態に回復しました。

ヤーズをやめて5ヶ月後・自己タイミングを取り始めて2周期目でありがたいことに第1子(男児)を授かり妊娠17wから切迫になりましたが安静でなんとか乗り切り38週にて経膣分娩しました。

 

現在、長男は生後9ヶ月。まだ第2子を考えるのは早いと周りには言われますが、私としましては子宮頸がんの再発の恐怖や内膜症(産後、劇的改善で月経痛ほぼなし、月経量も減りました)の再発、現在33歳であることから妊娠希望です(主人は31歳です)。

長男が生後4ヶ月の頃から自己タイミングを開始し3周期妊娠せず。不妊専門クリニックにて人工授精3回すべて陰性でした。最初の周期で排卵後1週後E2 85 pg/mL、P4 5.71 ng/mLと低く、未成熟卵だったとのことで、2回目からはクロミッド50を生理開始3日目から1日置きに1日1錠を3回分処方していただき、E2とP4は基準値に上昇しました。3回ともHCG5000単位で排卵誘導してます。人工授精翌日よりデュファストン3錠を14日処方もらってます。

AMH 7.97、FSH 5.3、LH 5.6、PRL 12.4、FreeT4 1.22、TSH 1.50で問題ありませんでした。内膜もIUI後1週間で12mm前後です。自宅では当帰芍薬散、ビタミンD、葉酸、総合ビタミンミネラル剤を内服、身体が冷えないように気をつけています。


①素人考えですがホルモン剤を複数使うことで逆に妊娠しにくくなっていることが考えられますか。
②クロミッドは必要と分かっていてもHCGなどでトリガーを作るより自然なLHサージを待ったほうが妊娠率が2倍と書かれているのを見たり、卵胞20mmくらいでHCGを打ってもらってますが、2回目卵胞チェックで卵胞23mmでも自然排卵してなかったので私の卵は20mmで誘導かけるよりもっと大きくなってから排卵したほうがいいのでしょうか。
③クロミッドを飲むと卵胞20mm後半でないと自然排卵しない、その場合他の卵胞も育ってきてしまうとのことですが、私はAMHも高いですし、何個か育っても妊娠率が上がるならそれでもいいのではないかと思ってしまいます。
④デュファストン内服は私にとってははあまり意義がないのでしょうか。


主人は私の病気のこと、年齢に比例して妊娠率が低下したり流産率・機会率が上がること分かってると言いますが、もう少し間をあけて第2子がほしいと思ってるようで相談に乗ってくれません。私としては今が一番いい時期なのだから今頑張りたいとゆう気持ちがあります。

 

A 子宮頸がんのや内膜症の再発の可能性を考慮し、早めに第2子を目指すことは良い考え方だと思います。一方で、男性にはそのような考え方が理解できないこともあります。

①これは考えにくいと思います。これが本当だとしたら、全ての不妊治療を否定することになってしまいます。

②人工授精の場合には、排卵の時間を合わせて精子を注入するのが最も妊娠率が高くなりますので、トリガーを使った方が良いです(トリガーは36時間前です)。自然なLHサージを待ったほうが妊娠率が2倍とのデータはないと思います。ただし、クロミッドの場合には卵胞が大きくなってから排卵することも少なくありませんので、卵胞が25mm程度になってからトリガーを打った方が良いかもしれません。

AMH 7.97でしたら、私ならフェマーラでの卵巣刺激を推奨します。

デュファストン内服が意味がないと断定することはできません。