Q&A1776 予防的黄体補充の有用性は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 2015.5.10「☆黄体機能不全:学会のオフィシャルコメント」の記事について質問です。少し理解が難しかったのですが、一般妊娠治療では体外受精で行われる「予防的黄体補充」の意味もないのでしょうか。そうであるとすると、それはどうしてでしょうか。質問へのお返事は5ヶ月待ちと理解しておりますが、私を含む多くの一般妊娠治療の方が黄体機能不全を疑われて黄体ホルモンを内服していると思ったのでコメントで質問させていただきました。

 

A 黄体は毎月異なるため、毎月「黄体機能不全」であることを証明することはできませんが、単発的に黄体機能低下になる可能性を考慮して「予防的黄体補充」を行うメリットはあると思います。2015.5.10「☆黄体機能不全:学会のオフィシャルコメント」の記事の中で4&5がそれに当てはまります(下記参照)。つまり、体外受精では全例に予防的黄体補充をすること、一般妊娠治療では最大2週間の予防的黄体補充をすることが望ましいということです(一般妊娠治療では2週間を超えての予防的黄体補充のメリットはありません)。
 
4 体外受精において、黄体ホルモンやhCG投与により妊娠率は改善されます。
5 一般妊娠治療において、排卵後2週間を超えての黄体ホルモンやhCG投与の効果はありません。
 
なお、このQ&Aは、約4〜5ヶ月前の質問にお答えしております。