Q&A1828 高齢でのタイミングについて | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q   私は34歳からタイミングで通院は1年、体外受精は採卵は20回近く、移植も16回して、初期流産4回、化学流産2回、子宮外(しかも頸管妊娠)1回という成果で力尽き、子供なしの人生を考え始め治療していなかった39才で自然妊娠し、ギリギリ39才で出産しました。その間何度か質問もさせて頂いていました。

自然妊娠したことで2人目はできたらなぁと思いつつも現在41才になり元々妊娠しづらい体質でしょうから、難しいとは思いつつ自己タイミングを続けています。出産から1年9ヶ月経ちましたが、生理は授乳中でしたが11ヶ月で戻り、一歳半で断乳してからもうすぐ3ヶ月です。

ただ生理の周期がバラバラで、タイミングも基礎体温は測らず生理開始10日前後くらいから2日おきにタイミングをとって生理10日前位には安静にしている感じで9ヶ月程過ごしました。周期は生理再開後しばらくは35日程でしたがタイミング取り始めると25日周期になり、それが3周期ほど続き、28日が3周期、30日が1周期あり直近は21日になりました。

 

もうムリなのかな?と思い始め、気になるのは閉経が近くなると周期が乱れると聞き、もう閉経間近なのでは?と1度婦人科に行った方がよいのかな?とも思いつついます。治療中の5年前くらいのAMHは1.64で元々実年齢より高めでしたし改めて今の数値を調べてもらうのが良いのでしょうか。

転院もタイミングでは3院、体外で2院しましたが、私の住む地域に松林先生の様にアップデートしている不妊治療の病院はなく、体外受精は約6割の人は数回で妊娠するいう考えでしか治療していない病院ばかりだと感じましたし、私はそのグループには入れないタイプで(結果的に抗リン脂質抗体の不育症がありましたので)、厄介な人に対する原因もケアや方法も探さない病院ばかりでしたので、信用できない病院に行ってもなぁという気持ちもあります。


幸い1人授かったので高齢ですが自己タイミングでできることをやりきりって納得したいという気持ちでいまして、婦人科に行った際に調べてもらうことなどポイントがあれば教えていただきたく質問させて頂きました。私は今の自分のよう妊力について知りたいのが前提ではあるのです。

その際
①血液検査など何の項目を調べてもらえば良いでしょうか。

②どの時期の採血などが良いかなどありますでしょうか。生理前、排卵前など全て必要でしょうか。

③また20代後半くらいから特に右の卵巣辺りが痛くなります。排卵痛なのかとも思いましたが、直近では生理前(1週間くらい続きますので排卵痛ではないと)に右側、生理中に左側も痛かったりと排卵痛ではなさそうですが、チョコレート嚢腫などの可能性もあるのかな?など。今まで全ての不妊治療の病院ではチョコレート嚢腫など指摘される様なことは一度もなかったのですが、見落とされるなどあり得ますか。その症状で婦人科にかかったこともあるのですが、解消されないままでしたが、今後どういう検査をしてもらうのが良いのでしょうか。
④TSHなどの数値を見た方が良いのかと思うのですが、一般不妊治療の検査では普通の婦人科では検査してもらえないでしょうか。
⑤最後に閉経が近い場合の目安の数値や状態などありますか。

 

A   今後はタイミングで行くのでしたら、、、

①②AMH再検査と、25OH-VitD、DHEAS、テストステロンの採血をお勧めします。後者は不足分の補充をしてください。AMHの採血時期は生理中が最も高くなります。

③チョコレート嚢胞は超音波で直ぐにわかりますから、よほど小さいものでなければ、見落とすことはないでしょう。しかし、子宮内膜症によって癒着を起こしている場合には、腹腔鏡手術以外に見つけることはできません。記載された症状は、癒着で全て説明がつきます。外来診療ではわかりません。

④よほどご年配の医師でなければ、普通の婦人科でもTSHは採血はしてくれると思います。ただ、評価や投薬をしてくれるかは疑問です。

⑤AMHが0.01になったとしても、直ぐに閉経にはなりません。生理周期は短くなり、その後長くなってだんだん無くなる方向になります。

 

なお、このQ&Aは、約4〜5ヶ月前の質問にお答えしております。