Q&A1843 帝王切開瘢痕部があります | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 2年前に緊急帝王切開で第一子を出産しました。だいぶお産も進行していたようでしたが、赤ちゃんの心音が落ちたため帝王切開が必要とのことでした。
半年ほど前から第二子を考えており、排卵日検査薬などでタイミングをはかっていますがなかなか妊娠しません。産後の1ヶ月検診では「子宮の傷はもう一息で治るって感じだね」と言われ特にその後の診察はありませんでした。出産後半年ほどで生理は再開しましたが、生理が終わったであろう後も少量ずつやや黒っぽい出血が少量続きます。このブログで帝王切開後の傷が妊娠の妨げになることを知り、一度出産した病院で診てもらいましたが、「帝王切開の後傷に血液が溜まることはよくあることだから大丈夫」と言われて終わってしまいました。傷に血液が溜まっている状態でも妊娠できるのでしょうか。不妊治療専門の病院で診てもらう必要がありますか。 

 

A 帝王切開の傷の部分に血液や水が溜まることはよくあることです。どのような場合に妊娠を妨げるのかは明らかにされていません。しかし、なかなか妊娠しないのでしたら、帝王切開瘢痕部が悪影響を与えている可能性が否定できません。帝王切開瘢痕部に精通した医師のセカンドオピニオン外来の受診をお勧めします。大学病院の先生になるかと思います。

 

帝王切開瘢痕部については、下記の記事を参照してください。

2017.2.24「腹腔鏡による帝王切開瘢痕欠損部修復

2016.4.28「帝王切開瘢痕部妊娠(CSP)の治療
2014.10.4「反復する帝王切開瘢痕部妊娠のリスク因子」
2013.6.23「☆帝王切開の傷の影響」

 

なお、このQ&Aは、約4〜5ヶ月前の質問にお答えしております。