Q&A1963 流産2回、不育検査について | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 次の妊娠に不安をもっているので、かかっている産院の医師に不育症検査について次回聞きたいと言ったところ「一人目を出産できてるしね…」っと濁されました。たぶんお話しはして下さるとは思うのですが、自然分娩、お薬を余り使わない方針のような産院なので、不育症も強くないのかと感じました。

32歳
2014年6月、娘を出産、初めから胎嚢も大きく妊娠時も出産時も何事もなく産めました。
2018年2月、7週頃から進行流産、胎嚢10mmのみ確認卵黄嚢みえず→完全流産
2018年7月、7週頃から進行流産、胎嚢11mmのみ確認卵黄嚢みえず→今流産の経過観察中です。

こちらの記事で胎嚢のみ確認だと、母体側に原因があることが高いと見ました。どちらも胎嚢のみだったので、不育症かと気になっておりますが、自分で調べたところ不育症に強そうな病院は遠いようです。お守りがわりにでも、産院で受けれる血液検査をしようと思っているのですが、その場合どの項目はしておいた方がいいのでしょうか(産院によってできるものが違うのかもしれませんが)。また何かアドバイスがあればよろしくお願い致します。

 

A 米国の定義では、流産2回で不育症になりますので、不育検査をするのは良いことだと思います。しかし、不育の領域は進歩が早いため、どんどん新しい検査に入れ替わっています。当院で実施している検査項目は下記のものです。どれが引っかかるか予測不能ですので、本来なら全ての検査をお勧めしています。現実的には、この中で近医でできる検査を全て行うのが良いでしょう。また、判断の基準値は、一般の基準ではなく、妊娠を目指す方の基準で判断する必要があります。この辺りが不育診療の難しいところです。可能であれば、不育専門の病院を受診されることをお勧めします。

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。