Q 私は30代前半で子宮内膜症、子宮腺筋症、チョコレート嚢胞、AMH 1.5のため不妊治療を行っていました。
内膜症の癒着がひどいようですが、腹腔鏡での内膜症のオペはAMHがさらに低くなり、今後排卵しなくなったり体外でも卵子がとれなくなる可能性もあるため、体外授精を勧められました。
3度目の移植で、グレード1の3日目初期胚と6日目胚盤胞3CCの2段階移植を行い、出産しました。分娩後、弛緩出血のため1リットル以上の出血がありました。産後1ヶ月で子宮から大量出血があり、胎盤ポリープの診断がなされ、緊急でUAEを行い、数日後子宮鏡にてポリープ切除を行いました。
医師からUAEをしているため、二人目はほとんど無理なので、妊娠を諦めるように言われてしまいました。UAE後に妊娠するのはやはり、ほとんど無理なことなのでしょうか。ネットの文献を見ていると、胎盤ポリープになった要因の一つに初期胚移植の人に胎盤ポリープが発生しやすいと考察してあるものがあり、きっと私が妊娠できたのは初期胚だろうなと思っています。今後もし、妊娠、出産の可能性が限りなく低いのであれば体外は高額治療になりますので、治療は断念しようかと思っています。もし、妊娠の可能性が少しでもあるのであれば、治療法も胎盤ポリープの再発も避けたいので、腹腔鏡で内膜症の治療を行なった上での自然妊娠や人工授精も選択肢の一つとして考えています。
①Gynecol Endocrinol 2013; 29: 611(日本)doi: 10.3109/09513590.2013.788636
要約:2007〜2011年に出産あるいは流産に至った1645名を対象に、子宮鏡、ドップラー超音波、MRI、CTを用い胎盤ポリープについて検索し、後方視的に検討しました。15名(0.91%)で胎盤ポリープが見つかり、体外受精では8.5%(6/71)、非体外受精では0.57%(9/1574)でした。胎盤ポリープは、産後79〜115日で自然に剥離消失しました。体外受精では胎盤ポリープのリスクが増加する可能性があります。
②Gynecol Endocrinol 2014; 30: 502(日本)doi: 10.3109/09513590.2014.907259
要約:胎盤ポリープによる出血性ショックを来しUAEを実施した女性12名(A群)と、胎盤ポリープがあるが出血性ショックを来さずUAEを実施しなかった女性25名(B群)を対象に、出血性ショックのリスク因子を比較検討しました。なお、全ての方でTCRによる胎盤ポリープの切除を行いました。B群と比べA群では、体外受精妊娠(12.0% vs. 58.3%)と既往流産歴(0.68% vs. 1.58%)が有意に高くなっていました。体外受精では胎盤ポリープのによる出血性ショックが増加する可能性があります。
なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。