Q&A2251 精索静脈瘤手術について | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 2019.1.14「Q&A2074 産婦人科医から質問3つ」でご回答いただきました。丁寧に対応いただき深謝いたします。

他院にて精索静脈瘤の手術を予定している患者様から、精索静脈瘤の手術の合併症に精巣萎縮があり、そのために手術前に精子凍結をすすめられたとの訴えで来院された方がいらっしゃいました。

精子所見を改善するために手術を予定している状況下で、上記提案に矛盾を感じます。またこのような患者様からの質問は初めてでありました。小生、泌尿器科に対する知識が乏しく、上記提案が一般的であるのであれば、私の知識不足でとても恥ずかしく思います。生殖医療と泌尿器科との密な連携を図っていらっしゃる貴院では、実際精索静脈瘤の手術合併症についてどのようなご説明、またはその対策をされているでしょうか。

 

A 精巣動脈損傷により精巣が萎縮するリスクのことを言っているのだと思いますが、当院で実施している方法は「顕微鏡下内精索静脈低位結紮術」であり、顕微鏡で確認しながらの作業ですので、確実に静脈のみを結紮・切断することができます。従って、精巣萎縮の可能性は限りなくゼロに近く、あらかじめ精子凍結を行っておく必要はないと考えています。また、当院の石川も精巣委縮の経験はないとのことです。

 

なお、このQ&Aは、約3ヶ月前の質問にお答えしております。