Q&A2527 諦めきれません | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 以前リプロ東京に通院していた者です。松林先生にも大変お世話になり、ありがとうございました。

リプロ前に2施設に通い、採卵5回、胚移植7回して全て陰性、リプロ大阪で検査のみ施行、リプロ東京開院を待って、これが最後の採卵と思い受診しました。1回目の採卵で10個採卵 全て顕微授精、1個初期胚G2、胚盤胞4AA、3AA、G2 3個(全て5日目)凍結、とてもいい結果だと先生にもおっしゃっていただきました。不育症検査は子宮収縮検査、耐糖能、ビタミンDとプロテインSが引っかかりました。上記対策して、シート法併用4AA移植して初回で妊娠、判定日は大変驚きました。妊娠経過は見えるべき時に見えるものが見えてとても順調でしたが、9週で稽留流産になりました。金銭的に厳しかったので、流産胎児絨毛染色体検査はしていません。その後もきっとリプロなら妊娠できると信じて残りの胚を全て移植しましたが(G-CSF スクラッチも試しました 1回は2段階)、妊娠せず治療終了しました。

素人が色々考えても仕方がないことですが、流産以降全くと言っていいほど手応えらしいものがなかったのが気になっています。1回妊娠したことで、その後の治療に悪影響が及ぶことはあるのでしょうか。妊娠初期の症状として生理的なものかもしれませんが、確か妊娠4〜5週の時に蕁麻疹などは全くありませんでしたが夜中に猛烈に身体が痒かったのが何かのサインではないかと気になっています。現在私が42歳、夫は50歳、金銭的な余裕は全くないので、治療を再開するかは未定ですが、何か他の方法を併用すれば妊娠の可能性は上がるでしょうか。先日45歳でお一人目を出産した方にお目にかかり、やはり諦めたくないというのが正直なところです。

 

A 理由はわかりませんが、流産後に身体の仕組みが大きく変わってしまうことがあります。ただしこれについては、どうすることも出来ません。また、妊娠中には様々な症状が出ます(特に皮膚症状)が、それがどのような意味を持つかは明らかになっていません。したがって、色々と気になることがあるとは思いますが、解決策に結びつくものではありません。何をどうしたら良いか適切な答えはありませんが、治療を続けて上手くいく方がおられる一方で、治療をやめた後に自然妊娠される方がおられるのも事実です。悔いのない選択が望ましいと思います。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。