Q&A2642 凍結が合っていないのでは? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 41才、2回転院して現在リプロ通院中


Aクリニックでは凍結胚を融解するときに胚が壊れてしまったことがあり、Bクリニックでは1回目の新鮮胚移植(初期胚)で妊娠、出産しました。

リプロでアンタゴニスト法で採卵し、初期胚1個、胚盤胞4個、全て凍結しました。2個移植しましたが、hCGが0.8という結果でした(凍結時のグレードは4AAと4ACで、融解時のグレードはグレード3、グレード1でした)。

松林先生にこれらの結果と今回の2個移植した胚の融解時の写真・グレードを見て頂いて、自分自身「凍結」に対してネガティブな印象があるとも話し、新鮮胚移植を考えていることをお話ししました。先生から凍結に弱い人もいるし、新鮮胚移植で妊娠・出産しているので、新鮮胚移植をしてみても良いのではという言葉を頂きました。その時に凍結胚移植と新鮮胚移植の成績は変わらないと聞いた記憶をしていたのですが、採卵周期に入り他の医師に「新鮮胚移植は結果が良くない」と言われました。松林先生のお話では結果が変わらないということですが、他の医師は結果が良くないということで、再度新鮮胚移植の成功率についてご教示頂きたいと思います。

 

A 一般的には(全体の統計上)、日本人は新鮮胚移植より凍結胚移植の成績が良好です。これは、日本人、中国人、韓国人などの東アジアの人種に特徴的な現象であり、欧米人(新鮮胚移植と凍結胚移植の成績はほぼ同じ)の状況とは異なっています。従って、日本人にはまず凍結胚移植を推奨するのですが、稀に凍結によるダメージが強く出やすい方がおられるのも事実です。このような方では、凍結が合っていない訳であり、過去に新鮮胚移植で妊娠されていますので、新鮮胚移植が合っているものと考えます。人それぞれ向き不向きがありますので、一般論と個別論では変わってきます。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。