Q&A2691 海外でPCOSの妊活は? | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 海外在住、39歳、第2子妊活中

2019年2月 第一子出産

もともと月経周期が35〜45日と生理不順のため、基礎体温はずっと付けておりました。ちゃんと2相性なのですが、50日目になっても生理が来なかった時に一度婦人科を受診しました。その後生理は自然に来ましたが、LH値が高め(詳細は覚えていません)と生理不順でPCOSを指摘されました。エコーの所見は認められませんでした。

2018年に結婚し、タイミング法で自然妊娠しました。葉酸サプリを飲み始めて生理周期が30日前後で安定していました(そんな効果ありますか?)。

PCOSではひとりっ子が多いと言うことを知り、不安を感じています。海外在住で、不妊治療だけでなく検査も容易ではなくタイミング法で頑張るしかないので排卵検査薬もたまに使用しているのですが、LHが高い場合でも正確な結果が出るのでしょうか。また最近、高温期が長くなりました。明らかな高温になってから18日ぐらいで生理が来ることがあります。そして、生理開始から3〜4日高いままなことがあります。良い傾向ではないのだろうとなんとなく思っておりますが、これはどのように捉えたらよいでしょうか。生理があり、基礎体温が2相性でも排卵がないということがありますか。

 

A PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の排卵には薬剤が有効ですので、病院での治療をお勧めいたします。海外在住の場合には様々なハードルがあるかと思いますので、日本に帰国された時にご相談されるのが良いでしょう。

 

葉酸サプリに生理周期を安定させる効果はありません。

排卵検査薬はLHの上昇を見つける検査ですので、ベースのLHが高い場合には排卵検査薬が正確に出ないことがあります。

高温期が短いより長いのは良い傾向です(惜しいところまでいっている可能性があります)。

基礎体温の信頼性は弱いですが、2相性で高低差が0.3度以上あれば排卵があるとみなしています。

 

なお、このQ&Aは、約2ヶ月前の質問にお答えしております。