6/20 福島市議会6月定例会 最終日

福島市議会も19時前に全ての日程が終了しました。

様々な意図があって、意見書を作成し、提出しましたが、結果とし
ては、私と大平洋人議員とで出した『年間追加被ばく線量1mSv
から導き出された空間線量率毎時0.23μSvを除染作業等によ
る線量の低減目標として定めることを求める意見書』は、賛成少数
で否決され、共産党福島市議団が出した『福島市ふるさと除染計画
を尊重し、さらなる財政支援を求める意見書』が賛成多数で可決さ
れました。

震災特別委員会での審議では、どちらとも否決っぽい流れだなぁ…
とヒヤヒヤしていましたが何とかなりましたf^_^;)

文章は後ほどUPしますが、どちらが採決されても福島市議会とし
て、環境省に対して良いタイミングで意見を示すことができた訳な
ので、結果としては満足です(^_^)



議会で否決された方の意見書です。(私と大平議員が提出)

子どもたちの未来のことを想い、採算性だけで論じない、除染ある
べき姿を求めるものでした。

以下、議案提案の読み原稿


議案77号「年間追加被ばく線量1mSvから導き出れた空間線量
率毎時0.23μSvを除染作業等による線量の低減目標として定
めることを求める意見書」提出の件につきまして、提出者を代表し
て提案理由を申し述べます。


 国と福島市をはじめとする四市は、平成26年6月15日に除染
に関する有識者との意見交換会において、今後の除染のあり方につ
いての議論をしました。
 
 この意見交換会において環境省が提出した資料では、除染の最終
的な目標としている空間線量率毎時0.23μSvは、汚染状況重
点調査地域を指定する際の基準であり、除染直後に達成すべき空間
線量率の目標ではないことを前提として、除染の実施及び空間線量
率の低下が必ずしも市民の不安解消に結びついておらず、特に、毎
時0.23μSvという数値の意味が正しく伝えられていないこと
や、市町村あるいは同一自治体内でも地区により除染範囲や手法が
異なることなど、市民の除染に対する不公平感や不信感につながっ
ていること、復興をさらに加速化するためには、自治体の施策を、
除染から復興へ促す方策が必要であるという三つの課題が挙げられ
ております。

 また、この意見交換会において配付されたファクトブックには、
除染に関して、「実施場所に応じて選択した手法ごとに効果を確認
しつつ実施しており、『除染作業による線量目標』は設定していな
い。なお、汚染状況重点調査地域の指定の基準として、年間1mS
vから導き出された毎時0.23μSvの空間線量率を用いている
が、これは除染作業による線量の低減目標ではない。」という環境
省の一貫した見解ではありますが、記載のニュアンスは、より強調
されております。

 更には、ALARA(アララ)の原則まで御丁寧に記載をしてお
ります。
ARALAの原則とは、即ち防護の最適化のことを指し、社会・経
済的なバランスも考慮しつつ、できるだけ被ばくを少なくするよう
努力するということで、必ずしも被ばくを最小化するということで
はない。という除染作業に対して国が採算性を求めることを示唆し
ております。

 意見交換会に参加した他市の除染に関する取り組み紹介や除染は
被ばく線量の過小評価が懸念されるガラスバッジをはじめとする個
人線量計の数値を考慮するという環境副大臣の発言趣旨から、事実
のみを積み重ねていくと除染基準の条件緩和を念頭に置いていると
いっても過言ではありません。

 1ヶ月以内に方針を示すという環境副大臣の発言からは、環境省
の取り組みにしては、今までには考えられない様なスピードでの取
り組みに対して、適切に対応するには、本議会の内に本意見書を提
出しなければならない緊急性もあります。

 空間線量率毎時0.23μSvは、汚染状況重点調査地域を指定
する際の基準であり、福島で生活する子供たちが安心して生活する
ためにも、年間追加被ばく線量1mSvの環境は、できるだけ早い
時期に整えるべきであり、住民は、現在実施中の除染作業等での実
現を強く期待しております。期限を設けない年間1mSvという目
標は、除染を行わなくてもいつかは訪れるものであり誠実さを欠い
ていると言わざるを得ません。

 よって、国においては、年間追加被ばく線量1mSvから導き出
された空間線量率毎時0.23μSvを除染作業等による線量の低
減目標として定めるよう強く求めるものであります。

 以上、提案理由を申し述べましたが、議員各位のご賛同を賜りま
すようお願い申し上げます。



以下、可決した方の意見書(共産党市議団提出)

議案80号「福島市ふるさと除染実施計画を尊重し、さらなる財政
支援を求める意見書」

 平成26年6月15日に環境省が福島市ほか3市と有識者との意
見交換会を開催した。
 この意見交換会の開催理由として、除染の実施及び空間線量率の
低下が必ずしも市民の不安解消に結びついておらず、特に、毎時0
.23μSvという数値の意味が正しく伝えられていないことや、
市町村あるいは同一自治体内でも地区により除染範囲や手法が異な
ることが、市民の除染に対する不公平感や不信感につながっている
こと、復興をさらに加速化するためには、自治体の施策を、除染か
ら復興へ促す方策が必要である、という三つの課題を上げている。
 その上で、井上信治環境副大臣は「除染の対応方針を1ヶ月ほど
でまとめる」との考えを示したとされている。

 福島市ふるさと除染実施計画では、平成23年6月に実施した全
市一斉放射線量測定結果により、空間線量率毎時0.23μSvを
超えた地域を除染の対象地域とし、計画期間は平成26年9月まで
の5年間で、目標値は2年間で市内全域で毎時1μSvを、将来的
には放射性物質汚染対処特措法の基本方針に基づき年間1mSv(
毎している時0.23μSv)以下にすることを目標と
している。現在までその方針で除染が実施されてきており、市民が
自宅周辺の除染の際、施工前と施工後に示される空間線量は、その
時点での1時間あたりの放射線量であり、除染終了後の数値として
毎時0.23μSvを安心の目安に考えていることは周知の事実で
ある。

 しかしながら、今になって「復興を加速化すること」を理由に環
境省が除染の対応方針を変更することは、これまで本市の除染実施
計画を変更することにつながり、それは市民の放射線への不安を払
拭するどころか放射能への不安を増幅させ、逆に行政への不信感を
広げることにほかならない。復興の大前提は除染による放射線量の
低減である。

 よって、国においては、本市の現行のふるさと実施計画を尊重し
、さらなる財政支援を強く求める。