今夜は七夕。例年なら梅雨の最中でもありますしほぼ雨空となりますが、今年は薄曇りながら星が出ております。どうやら無事に織姫様と彦星は逢瀬を楽しんでおられるかと思います。
高橋大輔さんが書いた昨年の短冊、みごと適いましたね。空に向かってありがとうと申し上げたい気持ちです。
もっとも大分、熊本、福岡は大災害。心からお見舞い申し上げるとともに、今年の願いはただ一つ。
日本列島にこれ以上災害が起こらないことを祈るばかりです。とはいえ地震にせよ津波、あるいは水害、それに伴う火事、荒れ狂う自然相手ではままならないこともありますね。あらかじめ予期できるならそれを防ぐ手立ては考えておかなきゃいけないし、他人事ではありません。
九州は暑いでしょうから難を逃れたとしても熱中症など健康被害も十分留意されますように。
さて、氷演の記事が掲載された「演劇界8月号」がやっと届きました。氷艶ファンの熱い注目を浴びて
ネットでは品切れが相次ぎました。発行部数も少ないと聞いておりましたので、私も6月当初から予約しておいて正解でした。
記事は「染スポ」と題したご本人による「氷艶 破沙羅」と「未来座 SAI」のレポ2ページ、および染五郎さんと笑也さんの対談で構成されています。このお二人のファンならば是非に!って思いますが、大ちゃんに関するコメントはそこまで多くはありません。一人だけピックアップってわけにはいかないので、スケーターお一人一人に対して褒めていらっしゃいます。
大ちゃんのお写真は小さいですが素敵です。これが半ページぐらいの大きさだったらもう一冊買っちゃうくらいです。
個人的には岩長姫の毛ぶりの正面お写真と「天に女神、宙に弾正、地に義経!」の図があっただけで大満足です。弾正と岩長姫以外はそこまで大きな写真はありませんが、数多く掲載されているので、また思い出を新たにできました。
内容はもちろん「氷艶」ファンなら読んでご損はありませんよ。
現場ならではの貴重な裏話が網羅されています。
大ちゃんに関してはやっぱただものではないとおっしゃってましたね。
それから宮本先生に稽古をつけてもらったときのエピソードを読んで、先生はやっぱ(大ちゃん以外には)鬼だわって思いましたーー
ほんと染五郎さんも凄いけどその無茶振りについていく役者さん、スタッフさんあらためて尊敬です。
染五郎さんは次の夢を描いているようです。それはちょっとやそっとでは実現するとは思えないんですが、でも彼ならばいつかやっちゃうんでしょうね。氷艶だって妄想してから現実になるまで18年だそうですよ。
まさに夢を見る限りですわ。
「演劇界」という雑誌自体は始めて手にしたんですが、思ったよりもずっと立派なグラビア誌でした。
写真で見たときにはもっと紙質の悪い週刊誌みたいなものを連想してたんです。役者さんのお写真は1ページずつ大きく掲載されていて、その表情や着物の柄、お芝居の雰囲気が伝わってきます。
笑也さんの芸者美代吉の写真もあります。
巻末のほうに記者による氷艶レポも掲載されていますが、こちらは主にあらすじの紹介です。義経に関して少しだけ触れてます。
117ページの錦之助二度目の弾正という舞台レビューを読むと本来の仁木弾正がどんなキャラクターなのか見えてきて面白いです。「知力眼力に優れる勇者ながらも荒事らしい稚気に溢れ、色気と愛嬌もある」とあります。昔から魅力的な、人気を博す人物像ってこういうものですよね。
大ちゃんもそうですが、多面的でいろんな顔を見せてくれるのが興味深く、一筋縄ではいかないからつい引き込まれてしまうんですよね。
夢枕獏さんの連載にはなんと萩尾望都さんの挿絵、思わぬ発見で、そりゃ嬉しかったです。どちらも若かりし頃にはまったので懐かしさでいっぱいです。タイトルに添えられたイラストにはお目目キラキラの桃太郎さんがいますよー。
一番感じたことはやっぱり染五郎さんたち役者さんにちゃんと映像化された氷艶をご覧いただきたいなーってことです。そしたらもっといろんな感想が出てくると思います。やっぱ仕事中に傍らを見るのと、鑑賞者として観るのでは全然違いますもんね。
ご本人たちは生ではご覧になれないのですけど、でも客観的に全体を見るとまた違うアイデアも沸いてきて、氷艶を再演したくなったりして・・・・なんてのを期待してるわけです。
まあ染五郎さんは夢見る人であくまでも先へ先へ突っ走っていくタイプの役者さんなんで、もう目指すは次!なのかもしれないのですけどね。
小さな記事ですが本誌ではお父様の松本幸四郎さんの「アマデウス」も紹介されていました。昭和57年に幸四郎さん主演で初演されて、以来35年間再演を重ねて、今度の上演で公演回数450回を迎えるんだそうです。これまた別の意味でなかなかできないことですよね。
新しい試みにチャレンジするのも大変ですが、そうやって何回演じても同じに見せない、良く知られたストーリーなのに観客を飽きさせないってのも相当大変でしょう。マンネリ化させないようにどんな工夫をなさってるのか知りたいと思いました。
努力を重ねても報われない凡人と、軽々と傑作を生みだす天才。神の不条理に対するサリエーリの怒りは身につまされると幸四郎さんはおっしゃってます。その怒りを常に抱くからこその名演なのかもしれません。天才は理解しがたいものがありますが、凡人の哀しみは共感を呼びます。
一期一会の舞台もあればこうして何十年も一人の役者が同じ人物を演じ続けてその変遷を見守るという楽しみ方もある。
芸能の世界は奥が深いものですね。
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