↓↓ロシア、バラにまつわるお話。

ロシア恋愛事情 / リーダ編


~~以下、若干気持ち悪い男性が登場しますので、為念、深呼吸をしてからお読みください~~



モスクワ出発3日前。アカデミー前の、幅100mはあろうモスクワ川に掛る橋の路肩。

日の入りが24時を過ぎる夏のモスクワ。ほぼ直滑降に落ちる午後8時の太陽の光がモスクワ川の川面をきらきらと彩る頃。


リーダと僕は橋の脇に腰かけ、モスクワ川を眺めていた。



急速に変貌を遂げるモスクワにおいて、最も如実にその変化を感じ取ることが出来るのは、モスクワの所謂エリート層の若者だ。彼らは非常に高い自己実現とキャリア形成の意識を持ち、勤勉に勉学に励むと共に、学生時代から仕事に従事し、ビジネスパーソンとしての業務経験を積む。コネが何よりもモノを言っていた一昔前のロシアとは違う。


僕の周りの多くの友人がそうであり、リーダもそんな学生の一人だ。



私は家で大人しく夫の帰りを待つような、そんな女じゃないわ。私には夢があるの。私はこの街で成功して、スーパーウーマンになるの!!私は仕事のことを考えだしたら他になんにも見えなくなる。次の日にテストがあることだって忘れちゃうの。


もうすでになんども聞いた話。


はいはい。そうだね。
でも正直なところ、君はなんというか、その、普通じゃないというか、逸材的なところがあることは疑いの余地がない。君ぐらいの才能があれば、ビジネスの世界でも絶対成功すると思うよ!




でも、こんな考え、女としては間違ってるわよね。女の幸せは大好きな男性と結婚し、幸せな家庭を築くことだもの。。



でも君はまだ若いから、色んな事を経験して、色んな事を感じて、少しずつ大人の階段を登っていけばいいんだよ。考え方は色々と変わっていくものだから。




それよりリーダ、君にこの21本のバラをあげるよ。俺の感謝と愛の気持ちさ。


とにかく、君との会話はいつも楽しかったし、君といた時間は最高でかけがえのないものだった。
常にウィットにとんだ小話や論理を展開する君に、どうやって議論で勝つかをいつも考えながら過ごしてたぐらいだからね。君がいなかったら、俺のモスクワ生活は随分と違ったものになっていたかもしれない。


でも、俺はもう少しでモスクワを去らなきゃいけないんだ。



そうね。。次はいつ帰ってこれるかわからないんだよね?



二、三年後に帰ってこれるかもしれないし、10年後になるかも知れないし、一生帰ってこない可能性もある。


だから、今日が本当に最後のお別れになるかもしれない。



でも、もし近い将来モスクワに帰って来ることが出来れば、今後は、俺は101本のバラを持って、君にプロポーズをしに行くよ。そして、



それで、もし私がプロポーズを受け入れたら??



その時は君に1001本のバラを贈るよ☆



・・・・・・



その後の展開はまた別の話とさせてもらいますが、ざっくり言えば二人でモスクワ川に飛び込みました。笑


と、こんな陽気で青くさいノリで僕のモスクワ生活は過ぎていき、そして終わりました。


他にも、「俺たちの友情に誓って、最後に死ぬまで酒を飲もう!」と言ってくれた友人や、「お前と知り合えて本当によかった!絶対日本にも行く!次は高見で会おう!」と熱い言葉をくれた友人。 
得意の自筆の水彩画をプレゼントしてくれた友人には、次回会った時にオリジナルソングをピアノで弾き語ろうか。

涙が出そうでちゃんと感謝の気持ちを伝えきれなかった先生にはまた会いに行って直接御礼を言わないといけない。

とにかく、そんなこんなで、本当にグレートでかけがえのない一年間が終わってしまいました。


人と向き合うことだけを真剣に考えて過ごしてきたこの一年間は、それまでの20数年間の人生に勝るとも劣らない多くの気付きを僕に与えてくれました。


そして、そんな素敵な思い出を未来につなげるべく、僕は新しい新天地(somewhere in Russia)で、また新しい人生を始めるのです。

まだ日本には帰りません。(帰れません・・・笑)


グッバイ!モスクワ。