第1回奈良マラソン完走記~あをによし 奈良の都を ひた走る(さらば、奈良) | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

 日本酒を飲んだ翌朝はつらい二日酔いになることがよくあります。でもこの朝は、お腹の調子はよくないものの、頭痛などはほとんどありませんでした。帰る荷物を整理してから食堂に下ります。朝食も普通に食べることができました。


 飛行機の時間は14時45分です。バスで行くか鉄道で行くか決めていませんが、どちらにせよ昼頃に奈良を出れば十分に間に合います。午前中は観光に費やすことができます。支度をすべて調えて、9時少し前にチェックアウトをしました。


 大きな荷物をフロントに預けてくればよかったのに、それに思いつかずに出てきてしまいました。JR奈良駅でコインロッカーを探しても見あたらず、駅前の観光案内所に行くと手荷物預かりがあったのでそこに預けました。


 それから観光を開始しましたが、まだ行ってないところで絶対に見ておきたいのは興福寺の国宝館です。あと足を延ばせそうなところといえば、春日大社とならまちあたりでしょうか。まずは歩き慣れた三条通を猿沢池まで行きます。


Road to SAROMAN BLUE-猿沢池


 そこで元興寺への道標を発見すると、突然そちらへ行ってみようと思ってしまいました。春日大社は修学旅行で行ったことがあります。それよりもまだ行ったことがない元興寺へ行くことにしました。この元興寺も世界遺産のひとつですし、せっかく近くまで来ておきながら見ないで通過する手はありません。


 さっそくならまち界隈を散策しながら元興寺を目指します。地図も見ないで歩いていましたが、ところどころに案内も出ており、無事迷わずに到着しました。時間的な余裕はあったので、迷ったら迷ったでいいネタになると思っていたのですが、こういうときはえてしてスムーズに事が運んでしまうものです。


Road to SAROMAN BLUE-元興寺


 さて、元興寺については、あまり事前の知識は持たずにやってきてしまいました。昔は東大寺や興福寺と並ぶ大きなお寺だったそうですが(いわゆるならまちは、昔は元興寺の境内だったとか)その後は衰退してしまったそうです。


 なんでも、ここでは極楽堂と禅室の屋根瓦の一部は、一般の本瓦と少し違って、飛鳥時代の古式瓦を伝えているのだそうです。この葺き方を、行基葺きというのだとか。


Road to SAROMAN BLUE-行基葺


 元興寺を後にして、興福寺を目指します。今日の最大のお目当ては、興福寺の国宝館です。千手観音や阿修羅像を拝むのを楽しみにしていました。


 散策をしていると、五重塔のてっぺんが見えます。法隆寺でも思いましたが、日常生活の中にこうした歴史的建造物がとけ込んでいるというのは、羨ましいことと感じました。


Road to SAROMAN BLUE-興福寺五重塔


 そしてお目当ての興福寺国宝館に入りました。ここは期待以上のところでした。美術品の価値も仏像の価値もわかりませんが、長い時を経てきた仏像などには、何もわからない私にさえ伝わってくる気が存在します。


 中でも千手観音はものすごい存在感がありました。(内部は撮影できませんので、お土産に買ってきた絵はがきをスキャニングしました。以下も同じです)


Road to SAROMAN BLUE-千手観音


 阿修羅像も、それほど大きな像ではありませんが、その表情を見ていると今にも動き出すのではないかという、生命を感じました。


Road to SAROMAN BLUE-阿修羅


 でも、何よりも私の心を惹きつけたのは、この仏頭です。


Road to SAROMAN BLUE-仏頭


 こうして写真で見てしまうと平面的に見えてしまいますが、このふくよかな顔の前に立つと、動くことができなくなりました。穏やかでいながら力強く、そして気高く、そして安心感を与えてくれます。この仏頭を見ただけでも、この国宝館を拝観した価値はあると思いました。


 国宝館をゆっくりと拝観したので、そのあと東金堂の拝観を終えるともう11時を過ぎていました。これから春日大社を回るには中途半端な時間です。ブラブラしながら駅に向かうことにしました。


 空港までのアクセスは、来たときと同様にバスにすることにしました。昨日のコースの一部、わずか数kmではありますが、バスは通っていきます。もしかするともう2度と走ることのない道かもしれません。もう1度、目に焼きつけておきたいと思ったのです。


 コンビニで昼食を買います。でも、昨夜のお酒の影響でお腹の調子はよくないし、あまり食欲はありません。サンドイッチを買うのみにとどまりました。


 観光案内所で荷物を受け取り、駅前のバス停で待ちます。やがて関空行きのバスがやってきて、これに乗り込みます。とうとう奈良とのお別れです。


 JR奈良駅を出たバスは、近鉄奈良駅、奈良ホテルに立ち寄り、昨日のコースに出ます。バスの中から見ていると、改めて起伏が大きいことに驚きます。走っている最中はほとんど意識していませんでしたが、これならば35kmを過ぎてから失速してもやむを得ない、と自分を慰めます。


Road to SAROMAN BLUE-車窓


 走っているとけっこう時間がかかるコースですが、バスだとあっという間です。昨日のコースと別れを告げてから、私はサンドイッチを食べ始めました。


 その後もバスは順調に走り、ほぼ予定通りに関空に到着しました。


 空港では職場へのお土産としてこれを買いました。


Road to SAROMAN BLUE-面白い恋人


 こういう商品があると知って、絶対に買ってこようと決めていました。


 関空は千歳を発ってきた3日とは大違いの好天です。


Road to SAROMAN BLUE-関空


 フライトも順調でした。千歳は雨が降っているということで、下りるときは多少揺れましたが、3日と比べると実に快適なフライトでした。


 新千歳空港到着も予定通りです。帯広へのバスも順調に走行して、帯広駅前には予定よりも10分くらい早く到着しました。家にも無事に帰り着き、今年最後の遠征を終えました。


 実に楽しく、実に盛りだくさんの遠征でした。再び奈良の地を訪れることはあるのでしょうか。走ることは別にしても、ぜひまた訪れたい。そう思わせてくれるところでした。


 日本全国、行きたいところはたくさんあります。まだまだ老け込んで入られませんね。(おわり)



Let's Run with a Smile!