あらためて 力不足を 痛感し(第32回北海道ロードレース完走記2) | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

2.10kmは54分53秒


 「バン」


 号砲とともにスタートします。でも後方にいる私のところは歩いて進むだけでなかなか走り出しません。スタートラインを越えるあたりからようやく走り出しましたが、なにしろコースには水たまりが広がっています。シューズを濡らすと簡単にマメができてしまいますので、水たまりを避けることを優先に、スピードを抑えて走りました。


 競技場を1周して、真駒内公園内の周回コースを走ります。公園内のコース上にも水たまりはありますし、混雑した状況となっていて、簡単に抜けそうにありません。100分切りを狙っているわけでもありませんから、ここは無理せず流れに沿って走ります。そして少しずつばらけてきてから、自分のペースで走ることにします。レース後にラップを確認したところ、最初の1kmは6分以上かかっていました。


 上り坂ではペースがあがります。というより、ペースの落ち幅が周りのランナーよりも小さいのでしょう。少しずつ抜き始めます。坂をあまり苦にしなくなったことは、留萌でトレーニングした成果です。


 2周目に入り3kmの表示を通過します。どうやら2km地点を見落としたようです。そのとき、ついつい時計を見てしまいました。はっきりと確認したわけではありませんが、11分を超えていたことは間違いありません。ということは、キロ5分30秒を超えています。


 やはり、軽く走ってキロ5分15秒というのは難しいようです。仕方ありません。無理して5分15秒にあげなければならないわけではありません。それよりも、楽にフルを走れそうというペースで走ったときに、どのくらいのペースで走れるかということを見極めることが、今日のレースの最大のテーマです。ですから、意識してペースを上げようというのではなく、今のペースを維持して走るようにしました。


 2周目も半ばを過ぎると、周りの流れも落ち着いてきます。ただその流れは、自分が望む流れよりもちょっと遅いように感じます。


 かといって無理はしません。水たまりを避けながら、そして無理なく入っていけるスペースを見つけたらそこに入っていき、少しずつペースを上げていきました。


 公園内は上りだけではなく下りもあります。下りでは重力にまかせてペースを上げます。以前はオーバーペースを怖がるあまり、ブレーキをかけながら下っていました。でも過度のブレーキは、足や腰への負荷が大きくなるような実感があります。負荷がかからないように心がけて走ると、どうしてもペースが速くなってしまいます。


 でも最近の私はちゃんと練習ができていますから、下りで多少ペースが速くなっても、簡単につぶれるようなことはありません。そんな自信が芽生えています。


 5km通過タイムは28分29秒でした。スタートロスを除くとほぼ28分。5分36秒ペースですから、2時間をちょっと切るくらいのペースです。このときは時計を見ていませんからペースはわかりませんでしたが、ちょっと遅いということはうすうす感じていました。


 公園内を2周するのはちょっときつかったですが、多くの仲間の応援に応えながら走れるのはとても嬉しいことでした。そんな仲間たちに別れを告げて、豊平川の河川敷コースに向かいます。


 狭い堤防上は隊列を崩さずじっと我慢して走り、高水敷に下りてからは自分のペースで走ります。


 しかしこのあたりから、ポツポツと雨が降り始めます。空を見上げると、スタート時に急激に広がった青空がいつの間にか姿を消し、雨雲が一杯に広がっています。まあ、雨の中のレースは覚悟していましたから・・・。空から降る雨よりも、むしろコース上の水たまりの方が気になります。


 と、その時です。


 一瞬、あたりが明るくなります。


 「あ、やばい」


 と思った次の瞬間、


 ゴロゴロゴロゴロドドーン・・・。


 腹まで響くような雷鳴がとどろきます。


 雨は覚悟していましたが、雷は覚悟していません。以前、乗っていた飛行機が羽田空港に着陸態勢に入ったとき、雨雲の中で翼に落雷したときの恐怖感。それまでも雷は好きでありませんでしたが、あれ以来ますます苦手になり、恐怖を感じます。思わず私はおへそを手で隠しました(笑)。


 幸い、雷はこの1度だけでしたから助かりました。


 10kmの折り返し点の手前で、10kmの部のトップの選手が後ろからやってきます。今までは公園内を1周だけだったのと、100分切りを目指してもっと速いペースで走っていたこともあって、10kmの選手に追いつかれることはありませんでした。先導の自転車の呼びかけで空けた左側のコースを、10kmのトップの選手たちは猛スピードで駆け抜けていきます。


 10kmの折り返し点を過ぎて、またコース一杯に広がって走ります。ハーフの選手たちが折り返してくるまではコース全体を使って走れます。


 5kmを過ぎてからのペースは、その後のラップタイムを確認すると上がっていたようです。5分10秒台のラップも多くなっていましたが、これは下流に向かって走っていたことと、追い風だったことに助けられた面が強かったことでしょう。そのことは、折り返し後のラップと比較してもよくわかります。


 10kmコースの折り返し地点を過ぎて間もなくだったでしょうか。雨が急激に強くなります。大粒の雨で痛く感じるほどです。雹か?みぞれか?一瞬そう思えてしまうくらい大粒の雨でした。


 激しい雨は短い時間で終わりましたが、青空、雷、豪雨・・・まったく、忙しい天気です。大粒の雨に打たれながらも、心配していたほど気温が低くないことだけは助かったな、なんて思いながら走っていました。


 10km地点の通過タイムは54分53秒でした。キロ5分半をちょっと切るペースです。この間の5kmは26分24秒ですから、5分17秒くらいのペースです。理想的なペースに上がっていました。


 ペースそのものは苦しいペースではありません。目一杯のペースで走っているわけではなく、余力をたっぷり残しながら、全身の力を抜くように努めながらの走りとなっています。


 でも、河川敷に入ったあたりから、心配だった左腰・・・正確には左の臀部のやや外側に痛みが出ています。6月以降は月間200kmずつ走り、練習量も増えていますが、その反動としてあちこちに負担がかかっています。春先に治療した腰ですが、ここにきて疲労が蓄積したためか、練習のときも、ひどいときには横になっているときも痛みが出るようになっています。お灸をしたりボルタレンゲルを塗ったりしているのですが、早くもこの痛みに苦しめられるようになりました。


 今回は痛みが出ないような走りをすることも目標のひとつでしたが、こちらの目標は早くも達成不能となってしまいました。


 でも、痛みが出てもこのくらいのペースでは走り続けることができるはずです。少なくともハーフマラソンでは。そう思い、ペースを変えずに走り続けました。(つづく)