平成の 源平ならぬ 父子合戦~第1回神戸マラソン完走記7 | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

7.背中で応援する「彼」


 2km地点でとったラップは5分45秒とちょっと上がりました。でもサブフォーを狙うにはまだまだ遅すぎるペースです。イーブンで行ければいいのですが、後半は若干落ちることも想定して5分30秒くらいのペースを目途としたいと思っています。混雑していて思うように走れませんが、道幅の広い道に入ったこともあり、無理なくあげていきたいと思います。3kmのラップは5分30秒、4kmのラップは5分09秒と上がりました。


 この4kmラップ。そこまで上がっている感じはしなかったのですが・・・。思いの外、体が動いているのでしょうか?いやいや、1kmごとの表示は、大会によっては信頼性に欠ける場合もあり、鵜呑みにするわけにはいきません。あくまでも参考程度にとどめておくべきです。


 5kmの手前で、また道幅は狭くなりました。道幅が狭いことはコース動画で覚悟していたとはいえ、実際に走ってみると考えていた以上に走りづらいです。必要以上にジグザグに走りたくはないのですが、前のランナーが壁になる状況がどうしても出てきます。そんなときはスペースを見つけて進路を変え、前に出てからまた左端のコースをキープするという走りをします。必要以上に遅いペースに乗ってしまうと、自分の走りのリズムを狂わせてしまいます。多少余分に足を使ったとしても、ペースを守ることを優先して走ります。


 やがて5km地点に到達しました。この1kmは6分24秒というラップが出て驚かされてしまいましたが、1kmごとのラップはあくまでも参考値です。4km地点の5分09秒というラップを考えると、4km表示の位置がずれていたことは十分に考えられます。


 この5kmのスプリットは35分を超えています。でもネットタイムでは28分52秒ということになります。序盤の混雑でペースが上がらなかったことを考えると、ネットでサブフォーを目指すには理想的なペースで入れたといえるでしょう。私はこのままのリズムで走ることにしました。


 最初の給水所を迎えます。給水所は大混雑。これも想定通りのこと。特に手前のテーブルに殺到しますから、奥のテーブルを目指すのもいつもの走り方です。


 それでもどうしても接触してしまいます。とにかくお互い危険なことにはならないようにと細心の注意を払って走ります。でもちょっと気になったのは、2万人を超える大会としては、ちょっと給水所のテーブル数が少なくないかということでした。真夏のマラソンである北海道マラソンは別格かもしれません。でも、参加者は神戸の半分以下なのに、給水テーブルの数はずっと多いですから。


 ただ、北海道マラソンのように水をかぶるランナーが少ないせいか、路面は水溜りなどできていませんでした。マメの不安のある私としては、これには救われました。


 給水所を過ぎて間もなく、最初の関門がありました。6km地点で1時間20分。7時間という制限時間を考えると、6km1時間というのはデッドラインです。それにスタートロスとして20分を加えたという設定でしょうか。ギリギリ7時間のランナーにとっても、さほど厳しい関門設定ではないと思います。


 関門を過ぎて間もなく、コースは左に90度曲がります。電柱などに表示されている住所は「新長田」になっています。新長田では、あの「彼」も見守ってくれているはずです。いったいどこから現れるのだろう。私はキョロキョロしながら走ります。


 やがてコースはまた右に90度曲がります。たしか「彼」はコースの左側にいるはず・・・。そう思って左側を中心に見ていました。


 おかげで右側にあったこれにレース中は気がつきませんでした。


Road to SAROMAN BLUE-壁画


 JR新長田駅と鷹取駅の間の高架壁面に、小学生から高校生までの応援壁画が掲示されていました。レース中に気づかなかったのはとても残念でした。


 このとき私が探していた「彼」は、左側の建物が切れた公園内に立っていました。しかし残念ながら、コースからは後ろ姿しか見えません。それに加えて逆光でした。


 正面を見ていたら「彼」の姿には気づかないという位置関係のため、「彼」がいたことに気づかなかった人も多いようです。Ogakunも同様で気づいていませんでした。


 「彼」を正面から見ると、このような感じになります。彼の後方に見えるJRの高架の手前の道がマラソンコースです。


Road to SAROMAN BLUE-彼


 そんな「彼」の存在を探してキョロキョロしながら走っていたせいでしょうか。6kmと7kmの表示を見落としてしまいました。ようやく時計を押したのは8km地点です。この間のラップは16分台でした。ほぼ5分30秒のペースで走れているようです。このペースを守って30kmまでは楽に行こうと思いました。


 進行方向左手には、ずらーっと黒服の集団が並んでいるのが見えてきました。これは・・・どうやら中学生の集団です。学校行事として全校応援をしてくれているのでしょうか、制服姿の男女が延々と続いています。そしてその列から、ニョキニョキと手が伸びています。


 よーし、若いエキスを吸い取ってやる~!


 私はその無数に伸びる手にハイタッチをしながら進みました。しかし進めど進めどいっこうに終わりが見えてきません。手が痛くなるくらいハイタッチを続けました。


 結局200人・・・いや、もっといたかもしれません。ものすごい、迫力ある応援で、すっかり元気をもらうことができました。


 9km地点を5分28秒という理想的なラップで通過し、コースは国道2号に入ります。


 この国道2号のコースは、これから明石海峡大橋の折り返しまでの間、往路を走り終えた選手とすれ違います。ここでOgakunとの差がわかるでしょう。さて、どのくらいの差でしょうか。1km程度の差ならば、彼が終盤で失速したときにとらえることも可能ですが・・・。


 しかしまだまだ先頭の選手もやってきませんから、Ogakunとすれ違うのもまだまだ先のことです。


 須磨駅前付近も大勢の人が沿道に詰めかけて応援しています。コースレイアウトの関係から、国道2号は右側車線を走る逆走コースとなっています。そのため、沿道の声援は右側になっています。もちろん、私はこの逆走区間では右端を走ります。


 北海道の大会は仮装しているランナーはけっして多くありませんが、道外の大会は仮装ランナーを数多く見かけます。そしてそういうランナーは、沿道から多くの声援を受けます。本当は私のその中の1人だったはずなのに・・・。


 でもさすがに関西です。仮装ランナーが受けるのは、声援ばかりじゃありません。さまざまな突っ込みが沿道から襲いかかってきます。それに対してうまくボケたり返したりできると、もっと楽しめるでしょうね。関西で仮装するときは、そこまでしっかりと考えておかなければいけませんね。


 そうした仮装ランナーの近くを走っていると、沿道の視線と声援は奪われてしまいます。仮装ランナーからできるだけ離れるように、その都度ペースを上げました。


 10km地点の通過タイムは、私の時計で1時間02分30秒くらいでした。この間の1kmのラップは5分21秒ですから、いい感じでペースも安定してきたようです。5kmのラップは27分13秒です。ネットタイムでサブフォーという目標に向けて、順調なすべり出しです。(つづく)