初めての海外遠征となったバンクーバーマラソン。スタートする前から激辛スパイスを振りかけたような事件もありましたが、とても素晴らしい体験となりました。
風光明媚なバンクーバーの街。そこを走るにあたり、どういう走りをするかを考えました。出した結論は、「カメラを持って全力走」です。これまでの自己カメラン記録は、2010年奈良マラソンの4時間10分59秒。この記録を目標と考えていました。
ところがバンクーバー到着後、時差ボケのためなかなか眠れません。3時間も眠ると目が覚めて眠れず、それでいて日中はたまらなく眠くなります。完全に時差ボケになってしまい、体調はすぐれません。こんな状態で全力走をしたりすると、体に負担をかけすぎるのではないかと思い、カメラを持ってファンランに徹することにしました。
初めての海外マラソンは、これまで経験した国内の大会とは違っていることも多く、戸惑うばかりです。でも走り出してしまえば同じです。好天と美しい街並み、素晴らしい応援にも助けられ、自然と笑顔で走れました。
今年から変更されたというこのコース。とても変化に富み、面白くて飽きさせないコースでした。そんな素敵なコースを、写真を撮りまくりながら走りました。
するとたまにシャッターを押すというジェスチャーをして近づいてくるランナーがいます。おかげでレース中の自分の写真も何枚か入手できました。
クライマックスのダウンタウン。ゴール付近まで延々と上りが続くというコースレイアウトですが、両側に大観衆が迎えてくれて背中を後押ししてくれます。
車道を走る車から、Eye Of The Tigerが大音量で流れてきます。その車の横には、大きくPoliceと書かれていました。交通整理にあたっている制服姿の婦人警官も、絶叫しながらランナーを迎えてくれます。バンクーバーの皆さんが、私たちランナーを心から愛し、心から応援してくれていることをひしひしと感じました。
エコノミスト誌では「世界で1番住みたい都市」NO.1に何年も続けて選ばれているというバンクーバー。その理由は、こうしたバンクーバーの皆さんの力によるものが多いのではないでしょうか。
そんな皆さんに応えるには、声援に手を振って応えるしかありません。でもとてもそれだけでは追いつきません。1人に応えると次々と、さらには両側から声援が浴びせられるのです。私は両手を挙げて「ウォーッ」と声を上げて声援に応えるしかありませんでした。
そのままのポーズでゴールに飛び込んだ私。こんなに気持ちよくゴールできたのは、初めてのことかもしれません。
ずっと「RUN VAN」でしたが、ゴール後にぶら下げてもらった完走メダルには、「RAN VAN」と書かれています。そうなんです、私もついにバンクバーマラソンを走ったのです。この文字を見て、またまた感動してしまいました。
このレースで受けた感動を、明日から「はじめての 海外遠征 バンクーバー」第2部完走編として書いていこうと思います。どうぞお付き合いください。