新しい 相棒連れて 銅メダル~第24回おろちゃんマラソン完走記2 | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

(2)追いかける

 号砲と同時にダッシュする周りのランナーと比べて半歩ほど出遅れたようにも思えましたが、どうにかスタートしました。このコース、スタート後は内陸に向かって緩やかに上り、折り返してからは同じコースを戻ってきます。さらにウォームアップのときにチェックした風向きは内陸から海へと向かって緩やかに吹いています。

スタート

 つまり往路は上りの向かい風で、復路は下りの追い風ということになります。前半は余力を残して後半勝負にかけようと思いました。

 スタートして約250mで交差点を右に曲がります。そこで前を行くランナーのナンバーカードをできるだけ確認します。50歳以上男子10kmの部は、ナンバー221から237までの17名です。220番台と230番台のランナーは2人しか確認できませんでした。見落とした人もいるかもしれませんが、入賞圏内の位置取りでスタートしたことは間違いなさそうです。

 そこから約300m進むと、今度は交差点を左折します。先頭との距離はかなり開いているのでナンバーの確認は難しくなっていますが、やはり同じカテゴリーのナンバーは2人しか見当たりません。暫定3位と思いながら走ることにしました。

 しかし3位につけているということは、48分という目標の割りにペースが速すぎるのではないでしょうか。やがてやってきた2kmコースの折り返し地点。通過してしばらくしてから時計を見ると、4分30秒を示していました。これは明らかにオーバーペースです。このままのペースでいくと45分で走ってしまうことになります。

 このままのペースを守るか、あるいはペースを落とすか。私はすぐにペースを落とすことを選びました。早くも呼吸が苦しくなっており、このペースを守ることは困難という判断でした。気持ち、ペースを落としました。

 しかしそうなると、後続のランナーに次々と抜かれるようになります。同じカテゴリーのナンバーをつけたランナー(のちに富良野のHさんと判明)に抜かれ、Yさんに抜かれ、Sさんに抜かれ・・・自分のペースがこれでいいのか悪いのか、わからなくなってしまいました。

 途中の距離表示はまったくありませんが、2km、4km、6kmの折り返し点が1km、2km、3kmの地点となります。だからそこでペースを確認できたというのに、2km地点ではタイムを確認することを怠ってしまいました。3km地点で確認すると、14分10秒くらいを示していました。

 私は走りながら引き算をしたり割り算をしたりしながら一生懸命に考えました。この2kmは9分40秒です。ということは、キロ4分50秒です。このペースで走れば48分でいけるのかどうか・・・わかりませんが、ちょっとペースが落ちすぎているようにも思えます。少しあげようと思いました。

 私を抜いていったHさん、Yさん、Sさんとの距離は徐々に開いていました。SさんはYさんをも抜いていきましたので、私はYさんを目標にして、これ以上引き離されないようにと思いながら走りました。

 それからはYさんとの距離をほぼ一定に保ちながら走りました。まだ往路ということもあり、タイム差は測りませんでしたが、20~30mくらいの差だったことと思います。

 やがて折り返した上位のランナーがやってきます。私たちのカテゴリーの先頭ランナーは全体の3番目くらいでやってきました。

 その後も続々とランナーたちが折り返してきます。でも私たちのカテゴリーの2位のランナーがなかなか現れません。そろそろ折り返し点が見えるころになってようやく2位の選手とすれ違いました。それからまもなくHさんもすれ違いました。私はそのときのタイムを確認しました。23分55秒です。ここからHさんとのタイム差を測り始めました。

 私の前にはもう1人、同じカテゴリーのYさんがいます。ということは、私の順位は5位ということでしょう。いまのところは入賞圏内です。

 そのYさんとの差は明らかに詰まってきています。でも前を行くSさん、Hさんとの差は詰まっていませんから、Yさんのペースが落ちてきているのでしょうか。折り返し点を回るときはYさんの直後まで追いついてしまいました。

 折り返し点を回るときにタイムを確認すると、24分15秒でした。単純に倍にすると48分30秒です。これでは目標にしていた48分に届きません。幸い折り返し点を回ったとたんに追い風で下り坂のためでしょうか、体が軽く前に進むようになりました。私は意識してちょっとペースを上げました。

 折り返してすぐに給水点がありますが、その手前でYさんを抜いてしまいました。そして給水は取らずに前を追いかけます。10キロのレースですから給水はしないと走る前に決めていました。

 Yさんから逃げるためにペースを上げます。そして後ろに足音が聞こえなくなるまで頑張ります。その後はひたすら前だけを見て追いかけます。

 折り返し点の手前でHさんとすれ違ったタイムが23分55秒。私が折り返し点に到達したのが24分15秒。単純計算をするとHさんとの差は40秒くらいでしょうか。ほぼ直線のコースなのでHさんの姿は見えますが、追いかけるにはちょっとつらい差がついています。そのほぼ中間くらいにSさんの姿があります。私はまずSさんを追いかけることにしました。(つづく)


(3)追い抜く


(1)ライバルたち