網走の 魅力満載 新大会~第1回オホーツク網走マラソン完走記6 | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

(6)網走監獄和牛

 なんとか気持ちが折れないように目標を切り替えました。キロ6分平均でマラソンを走ると4時間15分を切ることができます。スタートロスとトイレロスはありましたが、このままキロ6分以内で走っていけばその目標は達成できるはずです。

 そんな気持ちの切り替えが功を奏したのか、26キロのラップは5分47秒と少し上がりました。

 25キロ過ぎからコースは折り返しとなっています。しかし折り返しを回ってくるランナーの姿もかすんで見えます。体もいつのまにかダメージを感じているようです。

 27キロのラップは6分06秒に落ちました。ついに6分台になってしまいました。それでもまだ6分をちょっと超えたくらいです。まださほど悲観するような落ち方ではありません。

 にもかかわらず、このときの私は気力が続きませんでした。6分という数字を見たとたん、心が折れてしまったようです。

 足はますます重くなっていきました。それに加えて意識も朦朧とし、喉の乾きも激しくなっていました。

 給水所では必ず水分を取っていました。特に途中からはいつもの水ではなくスポドリを飲んで水をかけるという形にしていました。にもかかわらず、このあたりでは激しい喉の乾きに襲われました。

 どうやら軽い脱水にもなってしまったようです。水分のとり方が悪かったのでしょうか。特にスタート前の給水が不足していたかもしれません。

 心が折れた私は走り続けることができませんでした。折り返し点を過ぎてしばらくは頑張っていましたが、ついに歩いてしまいました。

 いま考えると悔いが残ります。この時点では歩かなければならないほどまで消耗していなかったように思います。あと4~5キロは歩かず走れたと思います。せめて29キロ過ぎのエイドまで走ってそこで一息つく手もありました。それなのにどうしてこんなところから歩いてしまったのか。このときは脱水まで起こしたようだから無理せず歩こうと思っていたのですが、はたしてその判断が正しかったのか……。

 でもやはり歩いていることに罪悪感を感じてしまい、すぐに走り出しました。28キロの表示は見落としてしまいましたが、29キロまでの2キロは13分19秒でカバーしていました。1キロ平均6分40秒。歩いても6分台ですから、やはりまだまだ歩く必要はなかったようです。

 29キロを過ぎてまもなくエイドがあります。ここには大きなテントがありいろいろなものが用意されていました。消耗している私は、もちろん足を止めてエイドを楽しみます。

 まず最初に登場したのはしじみ汁でした。マラソンの後半は汗をかいている関係で塩分が欠乏しています。それだけにこの味噌汁は生き返らせてくれます。それから長天がありました。これも1ついただきます。

 次にあったのがコーラです。私たちランナーにとっては命の水であり、不思議とコーラを飲むと回復します。喉の乾きもあり、私はコーラを3杯続けてがぶ飲みしました。

 それからベーグルもありました。正直なところ、マラソンの補給食としてベーグルは無理だろうと思っていたのですが、せっかくだからいただきました。スポーツドリンクも取って、流し込みながら食べました。

 それから走り出しましたが、足はますます重くなってきました。ちょっと走ったもののすぐにまた歩いてしまいます。歩きと走りを繰り返すようになりました。

 それでも30キロの通過タイムは2時間59分51秒です。キロ6分ペースより9秒早く通過しました。エイドで休んだ影響もありますが、この間の1キロは8分53秒です。25キロからの苦しかった5キロは34分05秒かかりました。

 走るのもつらくなってきましたが、目標を完全に失ったというわけではありません。33キロ過ぎにあるという私設エイドでは、網走監獄和牛が提供されるとのことでした。ただし全員の分まではないということです。スタート前はサブフォーの可能性があるようなら肉を食べている暇はない、などと思っていたのですが、今は通過しなければならない理由はなにもありません。なんとか肉が残っているうちにたどり着かねばなりません。足が少しでも回復したと思えたら走りに切り替え、一生懸命に肉を目指しました。

 しかし歩く時間も長くなっており、次々と抜かれていきます。31キロは8分33秒、32キロは8分18秒と、9分台に落とさないようにするのが精一杯です。

 ところが現金なものです。33キロが近づくと少しずつ元気が出てきます。和牛エイドにたどり着いたら休めるのだから、ここは少し頑張ろうと。おかげで33キロのラップは7分28秒に上がりました。

 やがて網走監獄和牛の幟が見えてきます。どうやらまだ肉は提供しているようです。やっとの思いで和牛エイドにたどり着き、サイコロステーキをひとついただきました。これは美味しかったです。「まだ食べていきな」と言われましたが、数に限りがあるとのことですから遠慮して、かぼちゃだんごとミニトマトをいただきました。このミニトマトは最高に美味しかったです。

 腹ごしらえを終えてリスタートします。和牛を食べてしまうと、次の目標が見つかりません。タイムの目標を設定しようにも、もはや4時間30分切りも難しいでしょう。こうなったらせめて北海道マラソンのタイム(4時間43分14秒?)だけでも上回っておきたいといったところです。

 しかしペースはあがりません。というより、歩く時間が長くなりなかなか走れません。34キロのラップは9分23秒、35キロのラップは7分57秒でした。35キロの通過タイムは3時間41分30秒です。かつてはこのくらいのタイムでゴールしたこともあったのに今はまだゴールははるか彼方です。この間の5キロは41分39秒もかかってしまいました。ここはワッカかと錯覚してしまいそうです。(つづく)


(7)ひまわり畑へゴール


(1)いざ、網走へ
(2)網走番外地
(3)強気が生まれる
(4)理想的なペース配分
(5)天国から地獄


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