大嫌いな人だけど、顔を見ないと気になってしまう。時にそんな矛盾した感情に襲われることがある。
私にとって、雪とはそんな存在だ。
雪とあまり縁のない地域の人にとっては、雪はロマンチックな存在なのかもしれない。しかし私たち北国の人間にとって、雪は厳しい現実の象徴であり、そこにはロマンの欠片もない。
今年の初雪は、例年と変わらず10月中旬に降った。しかしその後、まとまった雪はほとんど降らなかった。11月も20日になろうというのに道路は乾いたままであり、今年はどうなっているのかと心配になっていた。
ところがそれからは遠慮なく降りだした。道北の一部では記録的と言われるほどの降り方だった。心配していたのがバカらしくなるほど、あっという間に真冬の景色になった。
これから半年、雪との戦いが続く。こんな雪、降らなきゃいいのに。今は心からそう思う。降らないことを心配していたことは、一瞬の気の迷いだったのだろう。