走るモチベーション | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

 私が最後に走ったのは2年前の9月。6日間周遊パスで稚内日帰りを計画し、現地で稚内駅からノシャップ岬までの往復を走って以来、まったく走っていません。

 



 前日も函館日帰りをし、函館駅から船魂神社、函館護国神社、函館八幡宮、谷地頭温泉と走り、入浴後は市電で函館駅まで戻るという、滞在時間3時間半の強行軍をした疲労も残っていましたが、ノシャップ岬からの復路で膝が痛くなり歩いてしまったということで、気持ちがポキンと折れました。

 直接的な出来事はそれでしたが、それ以前から走りに対するモチベーションは急激に低下していたように思います。その低下の出発点を探っていくと、一つの事件に行き当たりました。それは「アスリートの風」の終了です。

 FMアップル「アスリートの風」は、2004年9月2日から2014年12月25日まで、毎週木曜日の夜20時から21時に放送されていました。

 この番組は「走る」パーソナリティ、市民ランナーのHITOMIさん(現在はFMノースウェーブ「RUNNING PARADISE HOKKAIDO」DJ)が送る、札幌初の現役ランナーによるマラソン情報番組でした。マラソンに関するあらゆる話題を取り上げ、毎週、各分野でマラソンに関わっている走ること大好き人間をゲストに迎えており、私も2005年11月に初出演して以来、14回もゲストに呼んでいただきました。

 さらに2006年2月から大会インフォメーションの中に「おがまんレポート」のコーナーを作っていただくこととなり、最初はメールを送って読んでもらうというコーナーでしたが、そのうち電話レポートをすることになりました。

 自分としては、一リスナーとしてレポートをしていたつもりでしたが、いつの間にかレポーターとしてチームアップルの一員に加わらせていただくようになりました。

 



 毎回わずか3分程度の短いレポートでしたが、当人はこのレポートに力を入れてやってきたつもりです。それだけにこの番組とともにこのレポートが消滅するのがとても寂しく思いました。

 9年近く続けたレポーターは、私のランニングに対するモチベーションを上げるために大いに役立ってくれました。私のような平凡なランナーがこうした発信を担うということに、大きな責任を感じていたのです。へこたれそうなときでも自分を奮い立たせて頑張ってこれたのも、この番組でのレポートをするためだったと言って過言ではありません。

 それだけに、この番組が終了してから、自分の中に大きな穴ができました。ブログではランニングに関する発信を続けましたが、徐々に自分の中でモチベーションが低下していくのをずっと感じていました。

 やがて自分にとってはライフワークと思っていたサロマや北海道マラソンにもエントリーしなくなり、コロナ禍で大会の中止が相次ぐとともに、私の中の走る炎が消えてしまったようです。

 きっとアスリートの風が終了したとき、私の中のランナーの炎は消え始めていたのでしょう。その炎は再点火することもなく、消えていったようです。

 今年のびえいヘルシーマラソンの会場に行ったとき、「懐かしいなあ、また参加したいなあ」という気持ちが少し湧きあがりました。ここからまた炎が灯される、なんて可能性は、わずかでも残っているのでしょうか。