令和6年1月5日朝 | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

 午前5時15分。目覚ましの音とともに起床する。夜中に左足のふくらはぎが攣ってしまい、その痛みが残っている。けっしてさわやかな目覚めではない。

 着替えをしながら天気予報を確認する。現在の美瑛の気温は7度。このあと日中はプラスの気温にまでなるようだ。寒くはない。10度を超えていたらヒートテックのタイツを穿くが、それを下回っているならば穿かない。ちなみに15度を超えているときは、防寒対策の切り札ともいえるヒートテックウルトラウォームのタイツを穿く。

 道産子だから寒さに強いかというと大違いだ。道産子だからこそ寒さには辟易しており大嫌いだ。だから冬はできるだけ暖かい格好をしたい。しかし問題は室内の暖かさだ。冬の北海道は外は寒いが室内は暑い。だからヒートテックウルトラウォームのタイツを穿いて暖かい室内に長時間いると蒸れてしまう。だからこの切り札の使い方は非常に難しい。なおかつ今日の最高気温はプラスになるという。そのようなわけで、今朝はタイツを穿かなかった。

 午前6時32分。まだ日の出前に家を出る。昨日と比べると暖かい。とはいえタイツを穿いていないので、下半身は寒く感じる。しかし一部の女子高生は、10度を超えている極寒の時でさえ素足にスカートという格好で、脚を真っ赤にしても平気で歩いている。それに比べれば、ズボンを穿いているだけ暖かい。そう自分に言い聞かせながら歩く。



 美瑛から旭川まで列車で移動する。旭川駅到着は午前7時30分。すでに日は上がっている。冬は日照時間が非常に短い上川地方だが、今日は晴れている。そのため駅の外に出ると寒かった。体感的には、美瑛よりはるかに寒かった。慌てて現在の旭川の気温を確認すると、11度。美瑛より4度も下がっており、ヒートテックを使用すべき気温になっていた。しかしいまさらどうしようもない。そのまま寒さに耐えて歩き始めた。

 寒いからといって急いで歩くのは危険である。慌てているときは転倒しやすくなる。ここのところあまり雪が降っていないので、歩道の雪は踏み固められて滑りやすくなっている。車道はアイスバーンになってるので、横断するときはさらに危険である。

 冬道で夏のように大股で踵着地で歩いているとほぼ確実に転ぶ。大きく踏み出した足が着地の瞬間に前に大きく滑ってしまい、体重が後ろにかかるとともに軸足も同様に前に滑ってしまい、尻餅をついてしまう。勢いあまって後頭部を道路に打ちつけることもあるので非常に危ない転び方だ。

 何度かそういう転び方を経験して、それ以来私は少し前傾姿勢を取り、歩幅を小さくして歩いている。この歩き方だと、踏み出した足が着地する瞬間、蹴り出した足が後ろに流れることがある。しかしその時すでに前足に体重移動が完了していて転倒に至ることは極めて少ない。でもたまに油断をすると歩幅が大きくなっていて、滑ってしまって焦ることはあるが、歩幅を小さくすると意識して歩いている間はヒヤリとすることはほとんどない。

 でも時には不思議な滑り方をすることがある。それは前後に滑るのではなく、横に滑ることだ。まっすぐ歩く時の力の加わり方は前後に加わっている。横向きの力はほとんどかかっていないだろうと思う。それなのに、ごくまれに横に滑ることがある。これは頭も体も予測していない滑り方なので、大いに焦ってしまう。意識しないくらいの微妙な傾斜があるのか、横向きに力が流れるおかしな歩き方をしているのか定かではないが、ひと冬に1、2回、そんな滑り方をする。今朝も1回やってしまって、転倒は免れたものの、ヒヤッとしてしまった。

 冬道を歩いていて困ることがもう一つある。それは歯の痛みである。加齢とともに知覚過敏が進んでしまったのであろう。冷たいものを食べたり冷気を吸い込んだりすると歯が痛むのだ。ところがここに大きな問題が一つある。冷たいものを食べたり冷気を吸い込んだりするのと痛みが出ることの間に相当なタイムラグがあるのである。

 たとえばガリガリ君を食べる。奥歯でシャリシャリと噛むと、多少しみるがそのとき痛みは感じない。それなのに、数時間が経過してから鈍い痛みを感じるようになる。それがときには耐えがたいほどの痛みとなることもある。

 外を歩く時も同じである。10度を超えているような冷たい外気の中を歩くとき、鼻呼吸を心掛けているが、口で呼吸をせざるを得ないこともある。そうして歩いた数時間後、奥歯が痛みだすのだ。

 これってまるで、殴られたときは平然としていたのに、数時間後に頬を押さえて「イテッ」と叫ぶのと同じようなものだ。まるで漫画の世界である。

 いったいこのメカニズムはどういうことなんだろう。まさか私の歯の神経は、刺激があってから数時間後でなければ脳にそれを伝えないような呑気者というわけではないと思うのだが……。

 そんなことを考えながら歩いていると、7時50分過ぎに職場に到着した。