名物カレーは、代々親から子へと受け継がれてきた門外不出のレシピで、創業から100年以上経った現在も全く同じです。ダシ汁が入っているようですが、もちろんそれも門外不出です。

明治時代から全くレシピが変わっていないということは、科学的な調味料や保存料は一切、入ってないということでもあります。味もさることながら安全で、子供にも安心して食べさせられます。

 

自由軒は名物カレー以外にも、ハイシライス(ハヤシライス)やオムライス、エビフライなどがあるセットメニュー、サーロインステーキ、チキンカツ、トンカツ、ビフカツ、海老クリームコロッケなどがあります。

 

名物カレーに味をひと足ししたい時は、テーブルに置いてあるウスターソースをかけます。これも創業からしているそうで、当時、ウスターソースは高級な調味料だったそうです。

 

名物カレーの価格は以下の記事を書いた時は650円でしたが、確認したところ現在は750円です。

 

<ここから2011年9月17日の記事の再掲>

 

先日、十数年ぶりに大阪の難波にある自由軒という洋食屋に行きました。

この店の看板メニュー「名物カレー」(650円)を懐かしんで食べました。

すごくシンプルなんですが、食べやすくて、後味サッパリです。

 

名物カレー

自由軒の名物カレー

 

ここで、自由軒がどういう店か紹介します。

明治43(1910)年、大阪では初めての西洋料理店、「自由軒 本店」が大阪・難波で創業し、昨年で創業100周年を迎えました。

 

 

創業当時、自由民権運動が起きていた中、創業者は新しい風を感じられる「自由」という言葉を店名に入れたそうです。

創業後は、ビフカツを始めとした西洋料理を格安で提供。

また、当時人気メニューだったカレーライスを、炊飯器といった設備がない状況下ながら、「お客様に熱々のカレーを食べていただきたい」という想いから、ご飯とカレーを混ぜた「名物カレー」を考案し、人気メニューとなりました。

 

そして、この店によく通っていたのが、『夫婦善哉』で有名な小説家・織田作之助でした。

織田作之助の作品の中に自由軒が登場しています。

 

自由軒の名物カレーを食べていたら、レトロな内装もあって、古き良き時代の大阪にタイムスリップした気分になりました。

 

 

 

自由軒オフィシャルサイト

http://www.jiyuken.co.jp/shop/sennichimae.html

(通販もやってますが類似店名に注意)

 

通販のレトルト

 

 

織田作之助(おださくのすけ)1913~1947年

大正2年10月26日生まれ。

昭和15年同人雑誌「海風」に発表した「夫婦善哉(めおとぜんざい)」でデビュー。

戦後、大阪をえがいた「世相」「競馬」などで坂口安吾,太宰治とならぶ無頼(ぶらい)派の人気作家となる。

読売新聞に『土曜夫人』連載中に喀血(かっけつ)し、昭和22年1月10日急死。

35歳。

大阪出身。第三高等学校(現・京都大学)中退。

【格言】天才は昔から無一文(夫人にあてた遺書の一部)