今まで生きてきてって言うと大げさですが、一番心が動いた大好きな映画があります。

「天使のくれた時間」(2000年・原題:The Family Man)というニコラス・ケイジ主演のパラレルワールドファンタジーです。

 

【あらすじ&私見】

優雅な独身生活を謳歌していたビジネスマンが昔の恋人との“もうひとつの人生”を体験することで本当の幸せに目覚める姿を描いた大人のファンタジー。

ニコラス・ケイジ扮するジャックは大手金融会社の社長で、独身で大金持ち。超高級マンションに住み、フェラーリに乗り、うらやむような生活をしている。

クリスマス・イブの夜にコンビニで銃を持った黒人の強盗(ドン・チードル)に遭ったが、何とかなだめて、職に就いてちゃんと生きろと諭す。

その強盗こそが天使で、「これから起きることはあんたが招いたことだ」と、意味深なことを言って別れる。翌朝ジャックが目覚めたら、全く違う世界になってて、そこではマイホームパパの設定になっていた。

 

その世界では、現実世界で13年前に別れた元恋人のケイトが奥さんなのですが、家族や周りの人々、環境が僕の理想にかなり近いので、それだけでもちょっとうるっときました。

 

現実世界と違って、つつましい生活だが、奥さんを含めた周りの人が全員いい人で、ジャック自身もいい人になっていく。

子供には「ニセモノのパパ」だとバレるが、そこはうまくやっていく。

やがて夢から覚めて現実世界に戻るが、ジャックがケイトに会いに行くと、現実世界のケイトはそっけない態度を取る高給取りの弁護士で、出世のため、その日にアメリカからフランスに移住するところだった。

ジャックは空港で、もう一つの世界で体験した思いをケイトに聞いてもらおうと、必死に訴えかける。

 

ラストシーンの切ない男心に思いっきり感情移入して、こうして書いていてもシーンが浮かんで涙があふれます。あれはヤバイ!

実は徳光さん並みに、異常に涙もろいんです(笑)

 

 

この映画を観て、つまらないという人が果たしているのだろうか?

 

僕が共感する理由は、そのパラレルワールドが理想に近いから。

子供の頃から人並み以上の金持ちになりたいとは思わないタチで、テレビで金持ちの生活を紹介する番組を見ても、本気でうらやましくなったことがない。

決してやせ我慢じゃなく、金持ちだとかえって落ち着かない気がする。

ギャンブル依存だった父と違い、お金に執着しない(しなさ過ぎて自分の首を絞める)性格です。

 

ちなみに実弟は、高収入なのに筋金入りの倹約家(合理主義)。ネットでコンビニや飲食店で使えるクーポンを探して、タダになる商品をゲットすることに余念がない。

その一方で、僕の母が末期ガンで入院した時、民間療法で末期がんでも治るのがあるからと、費用の100万円を出すと言う。

僕も実弟も妹も、3兄弟とも派手な生活を嫌うところは同じです。そんなところで目立ちたくない。

 

僕の価値観はそこじゃなく、家族全員が仲良くおだやかに暮らせることに価値を見出します。

実弟の育った家庭がまさにそんな感じだったんですが、未成年期に親のことを苦にしなくてもいい家庭は、それだけでとても幸せです。何にも代えがたい。

「天使のくれた時間」のパラレルワールドの家族や友人に囲まれた世界は、一見平凡だけど、夢のように幸せな世界だと僕は思う。

 

<予告編>

https://www.youtube.com/watch?v=x8qvKa_7GLA