中学受験組/高校受験組によらず難関進学校では理系比率が高く、就職の価値観が多様化した今でも理系研究職というのは目指す人が多い選択肢の一つではないかと思います。
 
私の大学以降のリアルな交友関係は大学の先生や国立研究機関の研究員、大企業の研究開発職といった理系研究職が圧倒的に多く、私にとっては「普通の」世界なのですが、興味はあるけど想像もつかないという方の参考になるかもしれないと思い、「理系研究職の世界」というテーマで(途中に他の記事を挟みながら)連載してみようと思います。
 

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なお、あまり先のことを考えずに書き始めたので、コメントやメッセージでリクエストをいただけばこの先の記事内容に反映します笑ううさぎあくまで「私の周りでは」という話で、分野などが違うと違った見方もあると思います。また、書けるのは一般論的な話ばかりになると思いますし、場合によっては一部アメンバー限定になるかもしれません。

※アメンバーは好意的に読んでいただける方であれば歓迎します(注意事項→)

 

 

さて、まずは今回、「社会に出たら誰がどこの大学を出てるかなんて分からない」というよく聞く声について、理系研究職の場合を書いてみようと思います。
 
これについて、一般論としては私も概ね同感です。しかし理系研究職に関しては事情が全く異なり、誰がどこの大学出身かどころか、何先生の研究室出身かまでお互い知っているのが普通です。というのも、多くの理系研究職にとって大学の研究室(学部4年~大学院)時代に学んだこととそこで得た人脈は、自分の専門性を語るうえでルーツのようなものであることが多いからです。
 
私は就職後も仕事柄、大学の先生や他社の研究開発部門の方と交流する機会が多かったのですが、たとえライバル企業に属する間柄同士であっても、専門性のバックグラウンドの話になり、お互いの出身研究室が分かるとすぐに共通の知り合いがつながり、「世間は狭いですね」と一瞬でまるで旧知の知り合いのように打ち解け合えるということを何度も経験しました。
 
研究職の世界では、恩師の先生との師弟関係に基づく家系図のような人脈のネットワークが就職や仕事を進めるうえで非常に大きな意味を持ちます。この点だけとっても、力のある先生(←大学の難易度とは必ずしも一致しない)の研究室で学ぶことのメリットはとても大きいです。
 
そのような力のある先生が理系だと旧帝大などの上位国立大に多いのは間違いないのですが、特定の分野で大きな力を持っている先生は地方国立大にもたくさんおり(逆に私立ではごく一部の大学を除くと少なくなり)ます。大学を専門性を身につけにいくところと考えるのであれば、このような観点(○○先生に学びたい!など)もとても重要です。