Polarstar(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

・・

 

なんか。

 

思ってたんと違う!!

 

 

真緒は青森の空港で外の景色が見えるラウンジでそう思った。

 

2月の青森って言ったらもう雪がじゃんじゃん降っていて移動も大変だろうしだいたい寒さにめちゃくちゃ弱いしで体中にカイロを貼ってスノーブーツとダウンのロングコートでやってきた。

 

しかし、ガラス張りから見える風景はピーカンでおそらく前に降った雪がその陽に照らされてポタポタと垂れている。

 

・・暑い・・

 

体中に貼ったカイロから容赦なく熱が発せられている。

 

トイレに行って剥がしてこよう、と移動しようとしたとき

 

「すみません。待ったでしょう。」

 

初音が荷物を引きながらやってきた。

 

「え!あ!いえ! そんなでも・・」

 

彼はマフラーはしているものの軽めのショートコートといういで立ち。

 

「・・なんか。顔赤くないですか?大丈夫ですか?暖房ハンパないですもんね。雪国は。」

 

そんな風に言われて。

 

「・・ちょっと。トイレ行ってきます・・」

 

気まずそうにそのままトイレに向かった。

 

 

なんとかカイロを剥がして戻ってきた。

 

「お待たせしました、」

 

何となく恥ずかしくて彼の顔を見れない。

 

「いい天気ですね。この時期こんなに晴れるのも珍しいんじゃないですかね。」

 

初音はさわやかにそう言ってタクシー乗り場に向かった。

 

 

「今年は雪が少ないですねえ、」

 

運転手がそんな風に言っていた。

 

「降りすぎても困るし全然降らなくても困ってしまうでしょうね、」

 

初音は彼に話かけた。

 

「そうなんですよ。まあ水は豊富な方ですがいつもの量じゃないと色々不都合があったりするもんですよ。」

 

真緒は彼の横顔をチラッと見た。

 

彼の『秘密』を知ってしまってなんだか罪悪感もあって。

 

でも、彼の出自を知ったからと言って見る目が変わるわけでもない。

 

初めて会った時と彼への印象は全く変わらない。

 

それよりも彼の隣にいることが一層嬉しいという思いでいっぱいになっている。

 

 

アポを取っていたガラス工芸の工場についてタクシーを降りた。

 

「あれ?」

 

初音が真緒に近づいた。

 

「はい??」

 

「コートの裾に・・」

 

初音はしゃがんで彼女のコートの裾にぶらんとぶる下がっていたカイロを手にした。

 

「あっ!!」

 

真緒は慌ててコートの後ろを見た。

 

「もうひとつ・・」

 

初音は遠慮がちに2つ目を取ってやった。

 

さっきトイレで慌てて取ろうとしてふたつコートの裾についてしまったことに気づかなかった。

 

「すっ・・すみませんすみません!」

 

もう穴があったら入りたいくらいの勢いでその2つのカイロを彼の手から奪うように取り上げた。

 

あっけにとられていた初音は何となく事情を察して思わずぷっと吹き出してしまった。

 

そして真緒と初音は北国への出張に向かいましたが・・

 

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