PlateCrack迷走の軌跡 -79ページ目
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1.東北地方太平洋沖地震の原因はプレートのすべりではなくプレートのクラック(断層)によるもの

まずはじめに、東北地方太平洋沖地震の様子を理解するため、地震の発生状況を見てみます。特に3/11 14:46の本震の場所とその後どのような場所に地震が発生するかに注目してください。

Japan Quake Map(アニメーションで時間経過と共に地震の発生場所、規模、深さが判ります) 
$東北地方太平洋沖地震のメカニズム-Japan Quake Map

次に地震全般の状況を理解するため、下図を見てください。
$東北地方太平洋沖地震のメカニズム-全般

次の図は初期の地震(3/11~12)を抽出したものです。
$東北地方太平洋沖地震のメカニズム-初期
この図から、まず、本震の東北東で前兆の地震が発生していることがわかります。そして、本震から西南西の方角に浅い地震(A、~20km)が集中していて、さらにその西部にやや深い地震(B、40km~)が集中しています。またBの領域の地震はやや遅れて発生しているようです。もう一つ、一番最初の日本全体図と比べていただくと、日本海溝のあたりでは地震が発生していないことがわかります。

もう一枚、さらに福島沖を抽出してみると下図のようになっています。
$東北地方太平洋沖地震のメカニズム-初期(福島)

地震と言うものは硬い岩盤が割れたりずれたりしてできるものだと思いますので、やわらかい部分では発生したいと思われます。Wikiでマントルを調べると、高剛性の性質を持つリソスフェアという層があり、そこで地震が発生するものと思われます。この層は、地殻と上部マントルの一部から成り立っています。厚さは60~100km程度あるようで、これをプレートと呼びます。その下にはアセノスフェアという流動性のある層があり、深さは300~660km程度まであります。このアセノスフェアを便宜上マントルと呼ぶことにします。
つまり、硬いプレートは流動性のあるマントルの上に乗っていると考えられます。
ちなみに地殻の比重は大陸で2.8、海洋で3.0に比べマントルは3.3と重いので乗っているだけではなく、プレートはドロドロのマントルの上に浮いていると考えた方がいいかもしれません。

下図と福島沖の地震の分布を見ると確かにプレート上で地震が発生していることがわかります。
$東北地方太平洋沖地震のメカニズム-プレート沈み込み
文部科学省地震・防災研究課の作成した、「地震の発生メカニズムを探る」より引用しています。

今回の地震で、宮城沖の海底が31m東南東に移動したとの東北大学の発表もあるので、プレート先端部が動いたのは間違いないと思われます。しかし、プレートが滑って地震が起こるのであれば、地震初期にプレートの下部全体的に深さ5~20kmの広い範囲で地震が観測されるはずです。
しかし、実際には本震の後Aの領域で散発的に地震が発生しています。

このことから、プレートに力がかかり割れが生じる事により地震が起こり、その影響でプレートが滑ったのではないかと思います。発泡スチロールの板を曲げようとすると、はじめミシミシ、パリパリという音を出し、しばらくしてからパンという音を立てて割れます。今回の地震も同様に、プレートに力がかかり、最初パリパリと前兆の地震が起こり、耐え切れなくなってプレートに割れが生じ、本震が起きたのではないかと思います。

ということで、プレートにかかっている力を考えて見ます。
$東北地方太平洋沖地震のメカニズム-プレートにかかる力
非常に単純化していますが、基本的には大きく3つの力が加わり、プレート下面を基点として割れが生じたのではないかと考えます。

次にプレートに割れが生じた場合の力のかかり方を見てみます。緑の矢印が割れが生じた後にプレートに加わる力を表しています。
$東北地方太平洋沖地震のメカニズム-プレートにずれ

これと実際の地震分布を比べてみるとおおよそ当てはまるようです。
$東北地方太平洋沖地震のメカニズム-初期2

北米プレートが滑った事が原因で太平洋プレートに割れが生じた可能性は否定できませんが、プレートに割れが生じているであろう事が推測できます。また、その割れ周辺の地震が、割れにより生じた新たな応力の発生により生み出された地震であることの説明がつきます。

5/1/2011 追記
「東日本大震災の前兆すべり観測できず 問われる予知体制」というニュースがあります。このことからもプレートに割れが生じて地震が発生し、その結果北米プレートが跳ね上がったであろうと思われます。







東北地方太平洋沖地震のメカニズムの推測

まずは東北大震災で犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。また、被害にあわれた方々にお見舞いを申し上げますと同時に一日も早い復興と発展をされますよう、心より祈念しております。

私個人的には、2011年3月11日に起きた東北大震災では非常に多くのことを考えさせられました。特に原発に関して考え方が大きく変わりました。今回の震災は私にとって、そして日本にとって大きな転機になることは間違いないと思っています。それが良い方向に向かうことを願っています。
このブログは私がここ一週間、東北地方太平洋沖地震の原因について考えたことをまとめる意味で立ち上げました。そのメカニズムをなるべく矛盾無く説明できるよう、限られた情報をもとに無い知恵を絞って考えたものです。また、地震について素人の考えですので、間違えもある事と思います。また、あくまでも現時点の考えであり、変更、訂正等あることをご了承ください。ご助言、ご批判等あるかと思いますが、どうぞご自由にコメントください。ただし、時間的制限によりすべてのコメントに目を通したり返答したりできないと思いますので、悪しからずご了承ください。

東北地方太平洋沖地震のメカニズム概観

まずは全般的に考えたことを列記します。
1.地震の原因はプレートのすべりではなくプレートのクラック(断層)によるものだと思われます。
2.津波は地震に伴いすべりが生じた北米プレートの跳ね返り現象によるものだと思われます。
3.福島、銚子の地震は太平洋プレートによるものではなく、北米プレートのクラック(断層)によるものだと思われます。
4.銚子沖には太平洋プレートの下に銚子フラグメント(仮称)が存在するものと思われます。
2011-04-26 4を削除します。プレートの厚さが思っていた以上に厚かったことに気がつきました。
2011-05-07 4を復活します。やはり何か存在するようです。伊豆諸島東方にも何か存在するようです。
5.新潟、秋田等でおきた地震は深く沈みこんだ太平洋プレートのクラック(断層)によるものと思われます。
2011-05-07 5を削除します。震源がもっと深いものと勘違いしていたようです。
6.東北沿岸地帯の地盤沈下はマントルが震源に移動した事が原因だと思われます。
7.現在の全国的な地震や微細振動はマントルが地盤沈下した沿岸や震源に移動していることによる影響かと思われます。
8.4月以降の東京、千葉、埼玉関東地方での地震はマントルの移動とそれに伴う関東フラグメントの移動によるものと思われます。
2011-05-04 関東地方に訂正します。

次回から一つ一つ詳細に説明していきます。


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