休憩の時間(私が研究したこと 3) | いろは

本来なら今回は実学についてのシリーズを書こうとしたのですが、どうにもこの休憩の時間についての稿が気になりまして連続でやってみたいと思います。但し、今回で「私が研究したこと」については終了させることにします。


何が気になったかというと、私の考案したNNM理論ですが、先日から過去の思い出として「たこ焼きのイメージ」というものを何度も繰り返して言っておりましたが、改めてよく考えてみると日本で説明する場合は「たこ焼き理論」と題して説明した方が早いよう気がしまして、思い立ったが吉日、本日やることにしました。


このNNM理論(Negative(Positive) Nucleus Mix)ですが、最初のネガティブは否定的ではなく、「少量」という意味で使っております。これの逆はポジティブという単語を当てております。ニュークリアスは核というよりは日本語的には「中心」ととらえた方が理解しやすいと思いますが、私は「核」をイメージしております。ここが英語の難しいところです。ミックスは「混ぜる」です。


要は「破壊的イノベーションを起こしてヒットした製品は、その製品の中心となる部分を最小限に、それ以外の機能や部品などをミックスさせて一つのまとまりをなす状態」のことであります。非常に単純化するとたこ焼きです。


例えば、たこ焼きはタコを鉄板で焼いた料理でも、水で溶いた小麦粉をタコでくるんだ食べ物でもありません。みなさんお分かりのように、たこ焼きというわりに外観からタコは見えなく、表面積は明らかに生地が勝るという、タイトルから考えるととんでもなく逆説的な食べ物であることがわかります。そしてスマートフォン。スマートフォンは「フォン」というわりに「電話」としての機能はほどほどに、それ以外の機能で成り立っております。そして、電話として使用される頻度はどれくらいでしょうか?このように核心部分だけを取り出して考えてみると、世間に広く認知されているものの核心部分は非常に「単純かつ単機能」であります。そりゃそうです。「核」ですから。この核の部分にいろんなものを付け加え、うまくミックスされると世間様の需要を満たせることが可能なのではないかという命題なのです。しかし、これはあくまでもクリステンセンのいう「破壊的イノベーション」を起こしたとされる製品を観察してのことであり、全く新しくNNM理論を使用して役立てる場合、さらにマーケティングの知識が必要となってきますので、ご注意ください。


ところで、たこ焼きでもう少し説明いたしますと、この理論から言えることは、例えば、タコを念入りに下味をつけて、その分、生地にソースをつけないとなるとどうなるか。これではおそらく売れないと思います。まず、核となるタコが「複雑」となっているいるからです。これでは核融合を起こせないのです。タコは単純に、それ以外で思いっきり装飾を施す、そうすれば核融合へと導くことができるはずというのが私の主張なのです。但し、現代ではスマートフォンのように「スマート+フォン」というように、核となるものがたくさんではないものの複数あり、これがぶつかり合って大爆発を起こすことも見受けられることから「少量」という言葉をミックスさせたのでした。


これを芸能の世界で援用しているのが私たちのバンドでありまして、中心となる音楽は基本を忠実に演奏するのですが、それ以外の部分、すなわち、「しゃべり」や「ダンス」でステージ全体を包み込むことで「田中型」という芸風を作り上げ、それがこれまでにない市場を創造したわけです。これについては全世界の芸能の世界において既に立証されたことですから、芸能の世界については私のNNM理論は正しいとされているわけです。これがもっといろんな業界に広まれば最強の理論となるのでしょうけど、それは現実的には難しいでしょうね。


しかし、この理論でのモノの見方ではある危険もありまして、それは「どこを核とするか」という問題です。これを知るには製品の部品の知識が必要となってくるため、作業は困難を極めます。例えば、電子レンジは破壊的イノベーションによる製品とされていますが、この製品が出た当時は「蒸し器」や「電熱線トースター」などしかなかった頃に突如として現れた夢の製品なのですが、ではこれの核はなにかというと、「磁石」ということになります。永久磁石に電気を当てる装置をあてがうことにより、夢の製品が誕生したというのがNNM理論でのものの見方です。もっというと、「温める」という機能はあまり重視されません。こうなってくると芸能、スマートフォン、電子レンジでは「壊的イノベーション」という既に立証された仮説を根拠にできますが、それ以外の分野では違う結果が出てくるかもわかりません。


本日はここまで。そして「私が研究したこと」についてはこれで最後にしておきます。「休憩の時間」なのに専門的な話に終始してしまい申し訳ございませんでした。次回からはもっと面白い話を行っていきます。お楽しみに。