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あなたの想いを

歌にのせてお届けします

Minkです

自己紹介はこちらです

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私には高校生の娘がいて
毎日お弁当を作り
駅までの送迎をしています






結婚願望も出産願望もなかった
若き日のことを思うと
早起きも料理も苦手なのに
よくやってるなぁと思ったりします





今朝もいつものように娘を助手席に乗せて
車を走らせていました
木々が生い茂る道を通った時に、ふと
中学生の次女るーちゃんを思い出しました





次女は私が毎朝奮闘する姿を見て






「私は高校生になったら
 自分でお弁当を作って
 自転車で駅まで通って登校するんだ」






と、言います
その話をママ友にすると






「るーちゃんはえらいねぇ」





と言われるのですが
私はいつもモヤッとした違和感がありました






私への気遣いなので
素直に喜んでも良いのかもしれませんが
それだけじゃない気がするのです





どうしてここまで気遣うんだろう?
この子は伸び伸びと育っているのかな?
こんな感じで不安になるのです






私のことが怖いのかもしれない
ずっと私の顔色を見て
気を使い続けてるのかもしれない






私は娘の反抗を、理屈という名の
言葉のチカラ技でねじ伏せたことがあり
所詮ママには勝てないと
自分が伝えたいことを
諦めさせてしまったことがあって
そのことを今でも後悔していて
何度謝っても気がおさまらないのです






長女は当たり前のように助手席に座り
空のお弁当箱もキッチンにポイっと
置きっぱなし






まったくもう‥と言いたくなる行動は
圧倒的に長女の方が多いのに
私が気になるのはいつも次女のこと
しかも周りからは褒められること





おりこうさんが気に食わないなんて
変な母親ですが
私の意に沿えば沿うほど
私の心は罪悪感に苛まれるのです





そんなことを考えながら坂道を下っていると
ふっと湧いてくる思いがありました





私も同じことをしていたからだ‥





あれ?と思ってから真っ先に思い出したのは
20歳の頃のわたし






私の両親は離婚をしていますが
実はその離婚の仲介をしたのは私
すでにアパートの契約も済ませて
家を出ようとしていた母に相談されて
父と弟を呼び、






「お母さんが離婚したいんだって」





と、家族会議の口火を切ったのは私
お父さんと弟は泣いていたけれど
私は泣かなかった
私まで泣いたらお母さんが困ると思って






お母さんは頑として譲らない冷めた顔で
口をへの字に結んでやり過ごしていた
弟の涙ですらもお母さんには届かなかった





市役所に離婚届を取りに行ったのも私
まだ結婚すらもしてないのに
離婚届をもらうのが恥ずかしくて






「母が離婚したいので離婚届下さい」





と、役所の人に言ってみたけれど
今思えばその方がよっぽどおかしい
しかも万が一破かれても大丈夫なように
予備で3枚ももらってきた





そのうちの1枚の離婚届を使って
私の両親は離婚をしました






お母さんは話し合いが終わって
私がもらってきた離婚届を受け取る時に
「ありがとう」と言って
財布を取り出し私に3万円をくれた





私は東京に一人暮らしだったから
3万円というお金はありがたいのだけれど
このお金はあまり嬉しくなかった
この3万円に母はどんな思いを込めたのか
それがわからなかった





母の気が済むのもあっただろうし
私への謝罪の気持ちもあったと思う
でもこの3万円は
私にお金に対してのイヤなイメージを
植え付けた気がする






中学生の時にも
母の勘違いがきっかけで私と口論になった際
母は謝罪と共に千円くれたことがあって
その時はその千円を投げ捨てて家を出た





私は子供への謝罪に
現金を添えたことなどないけれど
その頃の自分と今のるーちゃんが
運転しながら重なっていったのです





そっか、私もたくさんたくさん
お母さんに気を使って生きてきた‥





お母さんが笑ってるとホッとして
お母さんが怒ってると不安で
お母さんが不機嫌だとそっとしておいて
お母さんが悲しいと励ました





気を使っていないフリをするという
気遣いまでしながらそんなことをやってきた
お母さんが仕事から帰ると
嬉しいはずなのにどこかビクビクしてた





もしかしたらこんな想いを
私は自分の娘にさせているのかもしれない
いや、させているから違和感があるんだ
私の母への気遣いは
今思い出しても決して良い気にはならない





そう思ったら怖くなった
そっか、そう思っているから
私はるーちゃんの気遣いを
素直に受けることができないんだ





るーちゃんが生まれてすぐに
私は母と数年間、絶縁している
身内よりも他のことを大切にした母に
腹を立てた私が母を遮断した





その当時は
母が死んでもどうでも良かったし
仮に絶縁してた頃に母が死んでも
葬式にも行かなかったと言い切れる
それくらい母が嫌だった





るーちゃんの一番可愛い時期を
見ることなく過ごしてきた母は
数年後に私の旦那様に電話してきた
その後すぐに私宛に手紙が届いた
ごめんなさいの手紙





旦那様に説得されて母に連絡をとり
また親子関係が始まった





ごめんなさいと言ったはずの母は
しばらくすると
「喧嘩に良い悪いはないのよ
 どっちも50%50%で悪いんだから」
と、あっけらかんと言い出したけど
もう返す言葉もなかった





絶縁するほど嫌いになった母に
私は変わらず気を遣っていた‥
そしてるーちゃんも私に気を遣っている
胸がギュッと痛くなる





るーちゃんは私のこと、好きかな‥






夕飯を一緒に作る時間も楽しいし
TVも一緒に見てケタケタ笑ってる
たまに私がゲームの邪魔すると怒るけど
BTSの話題は意気投合して盛り上がる





夕飯の時間には
「ママ、ママ」と話しかけてくるので
一人だけ食べるのが遅い
本当によくしゃべる






家族みんなで同じ場所で
団欒できますようにと願って設計した
我が家のリビングはとても広くて
大きなソファーの定位置に
いつもるーちゃんは座ってる
そしてその横にはいつも私





いつも一緒に笑っているから
きっと大丈夫だよねって
思いたいのに、思い切れない
罪悪感でいっぱいになる







私も母親と言えど人間だし
至らないところもたくさんあるから
気を遣うこともあるだろう
そこは本当にごめんなさい





反面教師だと思っていた母と
私が同じようなことをしているから
るーちゃんも気を遣うように
なってしまったのかな‥
知らない間に一番なりたくない母親像に
私は近づいていったのかな






何度か考えたことのあるこの疑問
でも今日は何故かするすると
いつもとは違う方向に向かっていった





私は今まで、私の母の性格は厄介で
短気な鬼ババァだと思っていた
子供に気遣いさせる面倒な母だと
そんな母は苦手だと思っていた





でも、違う
いや、確かに厄介なことには違いないけど
そうじゃなくて‥






大好きだったから気を遣ったんだ
大好きだからいつも気にしていたんだ‥





大嫌いだから
気を遣っていると思っていた
大嫌いだから
顔色を伺ってると思っていた






全然、真逆だった
好きだから、出来たことだったんだ






それに気づいた途端に
涙がポロポロ止まらなくなって
運転中なのに視界が悪くなった
運転中だから止めたいのに
想いと共に涙も溢れ出ちゃって
どうにもならなくなった






いつまでも私を子供扱いして
お説教されるのがウザかった






そうじゃなくて
私がお説教されたかったんだね
私がお母さんの子供のままで
いたかっただけなんだ





お母さんに執着していたのも私
お母さんに甘えていたのも私
それなのに私は勝手にお母さんを
悪役に仕立て上げて
自分は親離れしていると言い聞かせてた





これはいわゆる長女病
本当は寂しかったよね
本当はもっとかまって欲しかったよね






そして本当は
しっかりなんてしたくなかった






緑の木々に囲まれて
突然に起こったこの気づきは
優しくてあたたかかった






今までとは180度違うこの想いは
ビックリとかショックとかはなくて
身体の新しい細胞がポコっとひとつ芽生えて
ジワジワと染み渡って広がるように
私の心に浸透していきました





隣でゲームをしているるーちゃんに






「るーちゃんママのこと好き?」






と初々しい恋人みたいに聞いてみたら






「うん、どーしてわざわざ聞くの?」







って笑いながら返事が返ってきた
私は笑いながら照れるのを誤魔化した






るーちゃんが私のことを大好きなら
ママはとっても嬉しい
るーちゃんが私のことを大嫌いでも
私はるーちゃんが大好き






るーちゃんが私を気遣っているなら
私はその何倍もの思いやりを
るーちゃんに捧げたいし
るーちゃんが私の顔色を見た時には
私はもっと大きく目を見開いて
るーちゃんの顔を覗き込もう







私はそうやってるーちゃんとの未来を
作っていこうと誓った







母は私と口喧嘩になると
いつも決まってこう言った






「親に向かって!なんてことを!」






私はこの言葉が今でも嫌で
自分の娘たちには使わない
私は親だけど、たくさん間違えるし
たくさん子供も傷つける
親だからって、別に偉くない






でも、今ふっと思った
よく考えたら、るーちゃんはちゃんと
私に文句言ったり怒ったりもしてる
おりこうさんだけど
おりこうさんだけだと過大評価だ(笑)






そこに気づいたら
ちょっとだけ安心できた
なんて勝手な母親なんだ、私は(笑)






るーちゃんが教えてくれた
私のお母さんへの想い
これから少しずつ少しずつ
大切に見つめてみるね
るーちゃん、ありがとね






もしかしたら、そう遠くない日に
ずっとずっと言えなかった







「お母さん、大好き」






言えるようになるかもしれない

5年前の親子、成長したね、子供も、私の身体も(笑)