mizumizumizu 埼玉県でスナックを経営する現役ママが語るオミズの悩み、笑い話、苦労など本音が詰まったエッセイ。


『そんなオミズの…クーデター』は、或る日突然女の子達が辞めてしまった時の話。
女優であるホステスは様々な嘘をうまく用いて経営者や客を納得させてしまう。
ホステスの口から紡ぎ出されるエピソードに頷き辞めることを受け入れると、後日目と鼻の先の店に出勤している…なんてことは日常茶飯事のようだ。
ホステスが居なければ店はまわらない。
各店、しのぎを削っているのかと驚く。
他にも22編のエピソードが収録されている。


偶然巡り合った著者から頂戴した本書。
エッセイをあまり読まない上に、水商売とは縁が無かったので楽しめるか不安を抱きながら読み始めた。
心配無用、楽しめた。
まず、自分が経験したことない職種や世界を垣間見るというのは当然面白いし興味深い。
偶然「FOXY(宇佐美游)」を読んだ後だったのでなるほどと思いながら読み進める部分も多かった。
仕事のことだけじゃなく経営者としての思い等も描かれており、深かった。
ちょっとホロリときてしまうエピソードもあった。
異業種を覗くのは楽しい。


<文芸社 2005年>


月谷 小夜子
女に酔わず酒に酔え―オミズ物語り