白壁土蔵のまち倉吉の旧市街地でひと際目を引く擬洋風の建物、旧倉吉大店会です。


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-旧倉吉大店会ビル 2013.03.04

 

元々は、明治末期に第三国立銀行倉吉支店として建てられたものです。国立第三銀行は、安田銀行の前身で、戦後、財閥解体等を経て富士銀行に改称、2002年4月1日に富士銀行・第一勧業銀行・日本興業銀行と分割・合併により、みずほ銀行となりました。

 

土蔵造の銀行

この建物は明治41年8月に国立第三銀行倉吉支店として完成した。木造2階建て、土蔵造り、擬洋風の外観は、当時倉吉往来のランドマーク的役割を果たしていた。同銀行撤退後、いくつかの金融機関を経て、現在は倉吉大店会の事務所として使われている。

銀行建築が内外ともほぼ原形のまま残り、現役で使われている例は非常に珍しい。中へ入っていくと客溜まりがあり、欅の階段手摺沿って2階へ上がるとギャラリーへ続く。壁や天井は「漆喰」で塗り上げられており、天井には90cm角のます目状にリブが付けられ、電灯を取り付ける真飾りには、ふさふさとしたブドウの実が見事にデザインされている。

倉吉の町に土蔵が多いのは、度重なる大火から家財を守るためで、明治38年には魚町一帯が火災によって焼失している。その直後に建てられたこの建物が土蔵になったのもうなづくことができる。山陰地方に現存する土蔵造銀行建築の貴重な遺構である。

 

建物概要

名称:倉吉大店会

旧名称:国立第三銀行倉吉支店

所在地:鳥取県倉吉市魚町2540

建設年:明治41(1908)年

構造木造2階建

指定:国登録有形文化財(鳥取県第1号登録)

 

以上、『とっとり建築探訪 県民の建物百選』 発行者 社団法人鳥取県建築士会 1998年2月1日発行より転載※データーは参考文献発行時のものです。
 

見上げてみると、鬼瓦に国立第三銀行の名残を見ることができます。


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-旧倉吉大店会ビル 2013.03.04

 

2階部分だけ見ると、蔵そのものですね。


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-旧倉吉大店会ビル 2013.03.04

 

現在は、「県民の建物百選」に指定されています。


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-旧倉吉大店会ビル 2013.03.04

 

そして、レストラン&カフェ白壁倶楽部として、一般の人も気軽に飲食を楽しむことができます。

山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-旧倉吉大店会ビル 2013.03.04

 

店内は当時の趣をよく残しているようなクラシカルな空気に包まれています。


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-旧倉吉大店会ビル 2013.03.04

 

見上げると漆喰で塗り上げられた天井。煌びやかなシャンデリアは見られませんでしたが、見事なシーリングメダリオンを見ることができます。


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-旧倉吉大店会ビル 2013.03.04

 

かえってシャンデリアがない方が、装飾などをよりじっくりと見ることができますので、これはこれでありかもしれませんね。

 

ちょうどお昼時だったため、館内はほぼ満席の状態でした。団体の予約なども受けて受けているようです。週替わり、限定20食の白壁ランチ(1,180円)は完売だったため、さくら和牛のハンバーグ・赤ワインソース(1,280円)をいただきました。

 


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-白壁倶楽部さくら和牛のハンバーグ 2013.03.04

 

パン又はライス、サラダ、スープ、珈琲又は紅茶が付いています。


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-白壁倶楽部さくら和牛のハンバーグ 2013.03.04

 

ハンバーグはもう少し熱い方が好みかなぁ・・・。それに予約の団体が到着した時間に重なってしまったため、少々騒がしく落ち着かない雰囲気だったのが残念でしたが、建物も堪能でき概ね満足でした。次は、白壁ランチかオムライスをいただきます音譜


◇概要

白壁倶楽部

鳥取県倉吉市魚町2540

TEL0858-24-5753

FAX0858-24-5808

営業時間 10:00~21:00

定休日 水曜日(祝日の場合は翌日)

営業内容

洋食レストラン&カフェ、結婚式・各種パーティー、アートギャラリー・定時演奏、歌声喫茶・コンサート、ライブ

◇いただいたメニュー

さくら牛ハンバーグ 赤ワインソース 1,280円

 

まちなか散策で見つけた倉吉大店会加盟店マークの看板


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-倉吉大店会章 2013.03.04

 

レトロな感じがよいね音譜