先週の週末は東京オートサロンでした。

GRMNヤリスや新型Zなど景気の良い話題が多く出ましたが、それらは基本的にお金を持っている人向けですね。

特に台数が限られるGRMNヤリスの多くは海外に流れるのではないでしょうか。

 

 

トヨタの社長である豊田章男氏は、自工会の会長でもありレーシングドライバーのモリゾウ氏でもあります。

任天堂に倣ったのかどうかは分かりませんが、トヨタもトヨタイズムという独自のチャンネルで自ら情報発信を進めていて好感が持てます。

情報発信をマスコミに頼る時代はとっくに終わっていますから。

 

東京オートサロンにおいて豊田氏は

文化に発展しつつある世界に期待をしたい

とおっしゃっておられました。
耳障りの良い言葉だけではなく実際の行動に移していただくことを切に願います。
 
 
現実に目を向けると、日本の自動車税制は初年度登録13年を超えると増税(いわゆる旧車増税)、つまり、同じクルマに長年乗ることを許さない税制になっているからです。
要するに現在乗っているクルマを捨てて新車を買え、という自動車メーカーの視点で出来上がっている税制です。
物を大事にさせない税制。
ここに手を入れずして自動車を文化にすることはできないと私は断言します。
加えて自動車に課せられた様々な税制、ガソリン税に付随する消費税。
受益者負担の考え方に基づくならば様々な自動車関連税はガソリン税などの燃料税に一本化すべきです。
重量税を課すなら使用目的を道路補修費に限定すべきですが、年度末に無駄な道路工事を繰り返している現状だと不要にしか感じません。
 
ガソリン税は店舗に課し消費税は消費者に課しているから二重課税ではない、というのが政府の建前ですが、結局のところ店舗に課したガソリン税と同額を最終的に消費者が負担していますので実質的に二重課税といって良いです。
こういう時に限って海外の制度を採り入れないんですよね。
海外だと古いクルマを保護するため様々な施策を取り入れており、自動車が文化として成立しています。
クルマが消費財に過ぎない日本では絶対に出てこない施策ばかりです。
そして、日本のかつての名車たちが続々と海外に流出し続けるわけです。
 

話を日本に戻すと、自動車が贅沢品とされた昭和30年代の発想そのままに現在も税制が出来上がっています。
そりゃロールスロイスやマイバッハ、フェラーリやランボルギーニ、日本車でもレクサスは贅沢品ですよ。
しかし、庶民の足である軽自動車や小型車が贅沢品であるはずがない。
私だって東京都港区のタワーマンション最上階に住める身分なら税金の塊に過ぎないクルマなんてアホらしくて持ちません。
クルマが生活の足として必要だから持っているだけです。
クルマを持たない人にも無縁の話ではありません。
私は歩いてスーパーに買い物に行っているから関係ないという人がいたとしても、そのスーパーに商品を運ぶのにトラックが使われます。
こうしたトラックやトレーラーなどの貨物車にも当然ですが多額の税金がかかり、それらを物流コストとして最終的に支払うのは消費者です。
日本の自動車税制は日本に住む誰もが無縁の話ではないのです。
 
 
旧車は環境に悪いからエコカーに、などと言う人もいます。
しかし、そのエコカー1台を生産するのにどれだけ環境を破壊しているのですか?
バッテリーの生産、充電インフラなどは誰が負担するのですか?
こうした疑問を解決することなくエコカー移行を強制するなど愚の骨頂。
加えて豊田氏自身が、 「 敵は炭素、内燃機関ではない 」 と性急なガソリン車排除に疑問を投げかけてくれています。
個人的な意見ですが、車検で排ガス規制を守ることが出来るなら旧車はあって良いと思います。
だからこそ、マフラー外して直管で爆音を垂れ流しているクルマやオートバイを見ると非常に不快です。
これらは排ガス規制に対して自動車メーカーが行っている努力を完全に無碍にする行為ですから。
こういう人たちが旧車のイメージを一方的に悪くしていると言い切れます。
 
 
また、日本の自動車メーカーは売れないクルマだとすぐに名前を変えてしまいます。
クルマの名前はブランドです。
ブランドは長く続かないと価値が生まれない、つまり文化になりません。
GT-RやZが日本のスポーツカーの中ではトップブランドであり続けているのも、なんだかんだで名前が続いているからです。
 
 
日本において自動車が文化になってほしい。
私もそう思うからこそ、日本の自動車が置かれている歪みきった環境を豊田氏が変えてくれることを期待したい。
 
 
一応ゲームのブログなので、豊田氏に注文したいのが...
トヨタ・レクサス車をいろんなゲームで使うことが出来るよう使用許諾してください。
かつてヤリスWRCのスポンサーだったMicrosoftのレースゲームにトヨタがレクサスも含めて使用許諾を与えなかった事は忘れていません。
その割にはグランツーリスモSPORTだけ、やたら早くトヨタ車が実装されるんですよね。
GRヤリス、GRスープラもそうだし、最近だとGR86なんかがそうですね。
GRスープラだけは昨年ようやくForza Horizon5に収録されましたが。
なぜでしょうね。
不思議ですね。