BLです
ご注意ください









「おーーー!なんやぁ
  決まっとる御一行さんやなぁっ」


「……早速すばるかよ」


かなりの人混みだというのに
言ったそばからすぐ知り合いに会った。


「なんや?会えて嬉しいやろ?」

「おまえも来てたんだ」

「おー、彼女とな。さっきヨコと会ったわ」

「あいつんちって出店してなかった?」

「そそ。優しいから買うてやったんよ」

「パン屋なのにタコ焼き屋なんだろ?(笑)」

「まぁ、なかなかやったわ」  



彼女と居るからか、珍しくいつもの長話はせずにじゃあな!と行ってしまったすばるの後にも何人か知った顔と遭遇した。

みんな口々に浴衣姿を「イイ!」と褒めてくれて、ちょっとだけ自信が湧いてきたかも?
 

あいつの浴衣姿もきっと…



「なぁ、俺らもなんか食っとこうよ」

「だね。カズ何食べたい?」

「んーー…後じゃあいつと食べれないかな」

「花火終わってから?…そんな余裕あるかな?」

「終わったら店閉まっちゃうかな?」

「いや……それじゃなくて」

「?……え、どれ?」

「んーー(笑)
  きっとあいつの余裕がないんじゃない?」

「余裕…………てっ/////
  そっ、そんながっつかないよっ//////」

「いや、カズ、一応食っとけ?
  それに関しては俺も心配だから!」

「潤くんまで/////」

「よし、じゃあ お兄さんが奢ろう!
 何がいい?焼きそば、お好み焼き、たこ焼き」

「たこ焼きはヨコの店で買ってやろうよ」

「だな(笑)」



余計な心配でしかないけど…
確かにひと月会ってない状態で会ったら
どうなるのかなんて想像もつかない。


ずっと一緒に居たからだと思う
こんな事言ったら遠距離恋愛をしてる人達には失礼だけど…

会えないひと月は、物凄く長く感じて
色々な意味でも寂しくて、切なかった。


けど…
そんなに言うほど余裕無くなるもん?/////


段々、どんな顔をして会ったら良いのかすら分からなくなってくる。



「カズ……その顔はちょっと//////」

「へ?なに?」


「あーあー…
  そんな顔してたら誰かに襲われるぞ」

「え?なんで?」


「ちょっと危ないから俺のココ掴まって歩け」

「だから何で?」



何もしてないのに突然、2人に心配された。













「くぁーーーーっ 
  思ってたより遅くなった!」


今日に限ってコーチの指導に熱が入ったせいで
終わりが予定よりも伸びてしまった。

慌てて全速力
アップより本気で走って、松潤んちに荷物を置きにいくと、出てきた松潤の姉ちゃんに拉致られて あっという間に身ぐるみ剥がされた。


超ビビったけど
でも良いこと聞いちゃった!

カズも浴衣着て待ってるって!

マヂで?ヤバいなそれ!
久々に会えるだけでテンション上がり過ぎてるのに
浴衣なんていうオプション装備?

しかも…


'' ちゃんと帯の結び方教えといたからね♡ "


……どーゆーことですか!!!!(笑)


え?待てよ…なんで俺らのこと知ってるの?
松潤から聞いてんのかな?
でも、好意的なのは伝わってきたから
松潤の姉ちゃんだし大丈夫かな?


いや、それよりも……それ、良いってこと?

だよね??


ヤバい……鼻血出そう(笑)



やっと、もうすぐ会える。



躍る心を鎮める方法があるなら教えて欲しい。

これじゃあ、会った途端に人目なんて気にせず
抱き着いてしまいそうだ。



"もう着くよ"

LINEを送れば

''分かった。あとちょっとで花火始まるよ"

そう返ってきて
慌てて待ち合わせの鳥居の前まで早足になる。


でも、人混みを掻き分けて向かってる途中に
目に入った出店の前でつい立ち止まってしまった。


これって……アレだよね?
昔と全然違うけど、なんか…オシャレだなっ


お祭りと言えば?と聞かれたら
真っ先に思い出す食べ物の変貌に驚きつつも
急いでるくせに それを買いたくなった。


あいつ、きっと買ってないだろうし…

なんて、下手な言い訳をするよりも早く買わなきゃと焦って財布を出すと、突然背後から声をかけられた。



「あれ、相葉君?」



「…ん?」