皆さん、こんにちは。 11月も中旬を過ぎて、いよいよ冬を感じ始めました。暖房が必要になってきました。コロナも慣れてきたのに、第8波が始まったようです。より一層注意をしつつも、色んな活動は、バリバリやりたいですね。

 

さて、今回の院長ブログは、治療終了のご報告です。

初診時年齢20歳の男性で、八重歯が主訴でした。

典型的な八重歯でした。下顎も小臼歯部で大きな凸凹が見られます。このままでは、近い将来虫歯や歯周病になり、歯を失っていきます。

 

口を閉じたときは何も問題はありませんが、笑顔では上の2本目の前歯が抜けているのか?、と思うほど引っ込んでいまって影ができていました。

 

パノラマレントゲンでは、上顎の親知らずが前方の大臼歯を押していることがわかります。歯のサイズも計測するとかなり大きく、スペース不足が原因の凸凹です。横顔のレントゲンでは、骨格的には下顎の前突傾向がありました。しかし、前歯の前後的傾斜度には問題なく、横顔のシルエットも綺麗でした。

 

治療方針は、上顎両側親知らずと第一小臼歯の抜歯、下顎は第二小臼歯の抜歯としました。上顎には矯正用アンカースクリューを植立して、ブラケットを装着して治療を開始しました。

 

上顎の抜歯が終了して、スクリューとブラケットが接着され、ワイヤーが通された状態です。

 

続いて、下顎が抜歯されブラケットを装着しました。上顎犬歯は改善してきています。

 

治療開始から1年経過時点です。大分並んできていますが、まだ咬んでいない部分も多く、ここからが腕の見せ所です。

 

治療開始から2年経過時点です。接触してきている歯が増えたものの、まだ十分ではありません。微妙な凸凹も残っています。

 

この後4か月して、動的治療を終了しました。動的治療期間は2年4か月でした。

治療前後の写真を並べて供覧します。

正面、左右側面です。八重歯もなくなり、上下の歯が山と谷がばっちり咬合しています。

 

かみ合わせの面です。凸凹が嘘のように綺麗になりました。歯磨きも格段にしやすくなりました。

これで、虫歯や歯周病のリスクも大幅に軽減しました。

 

下からの写真です。これは術後のみです。内外側的にも適切に配置しています。

 

正面の顔写真です。笑顔での歯は、見違えるように美しくなりました。

 

斜めと横顔の写真です。歯の見える写真は変化は大きいですが、その他は大きな変化はなく、良好な状態が保持されていました。

 

パノラマ写真です。歯の平行性も改善しました。下顎の親知らずは、下顎骨を通る太い神経に近く、抜歯するかどうか悩ましいところです。

 

横顔のレントゲンです。前歯の位置に大きな変化はありません。横顔も綺麗なシルエットです。

 

治療終了おめでとうございます。八重歯がすごい状態でしたが、綺麗に治ってよかったです。きちんと通院していただき、予定よりも早く終了できました。歯を抜くという代償は払いましたが、健康な咬合状態を手に入れることができました。しかし、20年かけてできた状態を2年少々で動かしています。今はできたてほやほやで、とても不安定です。油断するとすぐに元に戻りますから、リテーナーはしっかり使用しましょう。治療お疲れさまでした。

 

さて、来週は東京で3年ぶりに日本ツイード矯正歯科研究会が開催する、矯正のベンディングの実習セミナーが開催され、インストラクターの一人として参加してきます。またご報告したいと思います。それでは、皆様、コロナに気を付けてお過ごしください。

 

●今回の写真の掲載は、患者さんに了解を得ております。

●今回の総費用:64万円(治療期間2年4か月)

●治療における一般的なリスクについて

 治療中または治療後には、虫歯の発生・歯根吸収・歯牙疼痛・口内炎・歯肉形態不正・顎関節症・ほうれい線・歯の削合・後戻りなど思いもよらない不都合な合併症のリスクがあります。治療開始時に主な事項についての注意や対応についてお話しし、もし不都合が発生した場合は全力を尽くして対応してまいります。

●治療結果には個人差があります。同様の結果が保証されているわけではありません。ご了解ください。