皆さん、こんにちは。コロナも特別扱いはなくなりました。もうほとんど昔の状態に戻った気がして、私はノーマスクでいます(診療所ではオンマスクです)。でも街中でマスクを見ると、つけていない自分がなんかすいません、って感じになりますね。まあ、個人の自由ということで許していただきたいと思います。

 

さて、今回の院長ブログも治療終了のご報告です。

初診時年齢20歳の女性です。上顎前突を気にして来院されました。

 

前歯の前後的ズレは大きく、また全体的に凸凹が激しく、特に上顎の右側の第二大臼歯は大きく外へ傾斜して下顎と完全にすれ違っています。

 

お顔の写真です。やはり口元は盛り上がり非常に閉鎖しずらい感じがわかります。

 

パノラマ写真です。親知らずは4本存在していました。

 

横顔のレントゲンです。骨格的にも軽度の下顎後退が認められ、上顎前歯、下顎前歯ともに前方への傾斜が強く認められました。

 

治療方針は上顎は両側の第一小臼歯を抜歯、下顎は両側の第二小臼歯を抜歯、加えて上顎の右側の第二大臼歯を抜歯、そしてその部分は第三大臼歯の親知らずを利用することとしました。スクリューも利用しブラケットを用いて治療開始となりました。

 

上顎にブラケットを装着しました。

まずは、犬歯から後方に装置をつけて開始しました。

 

次に下顎にも装置をつけました。

同様に犬歯から後方に歯につけて開始です。上顎の右側の親知らずはみるみる前に移動してきています。

 

治療開始から1年経過時点です。

犬歯はかなり後方へ移動し、前歯にも装置がついている状態です。前方から見たときに下顎の前歯が見えないほど深いかみ合わせです。これを改善しなければいけません。

 

治療開始から2年です。

深い咬み合わせも改善して、スペースを閉鎖している途中です。この後6か月ほど調整して治療終了となりました。動的治療期間は2年6か月でした。

 

治療前後の写真を供覧します。

正面と横の写真です。歯車がかみ合うように綺麗に適切に咬合が付与できました。

 

凸凹も改善し、抜歯スペースも完全に閉鎖しています。アーチも適切に整えました。右上の親知らずもきちんんと活用できました。

 

これは術後のみですが、内外側的にも適切に接触関係も獲得できました。

 

正面のお顔の写真です。盛り上がり感はなくなり、楽に唇を閉じることができます。

 

斜めと横顔の写真です。とてもバランスの良い状態になりました。

 

パノラマ写真です。根の吸収なども認められませんでした。親知らずは3本は今後抜歯の予定です。

 

横顔の写真です。前歯の後方移動に伴い、唇が後退したことがよくわかります。

 

治療終了おめでとうございます。前歯の前突の程度は強かったですが、とてもうまく治りました。頑張って通ってゴムの使用も真面目におこなったおかげですね。最後半年ほどは引っ越しで明石から通院となりましたが、お疲れさまでした。出来立てホヤホヤですので、まだまだ不安定で元に戻ろうとしています。リテーナーはしっかり使ってください。お疲れさまでした。

 

大臼歯を抜歯して親知らずを使う場合もたまにあります。矯正治療の前に親知らずをすべて抜歯しなければいけない、と思っている方がいます。このように状況によっては活用する場合もあるので、慎重に判断していただきたいと思います。

 

それでは、もうすぐ6月、夏ですね。今年も暑い夏でしょうね。皆さん元気に乗り切っていきましょう。それでは。

 

●今回の写真の掲載は、患者さんに了解を得ております。

●今回の総費用:65万円(治療期間2年6か月)

●治療における一般的なリスクについて

 治療中または治療後には、虫歯の発生・歯根吸収・歯牙疼痛・口内炎・歯肉形態不正・顎関節症・ほうれい線・歯の削合・後戻りなど思いもよらない不都合な合併症のリスクがあります。治療開始時に主な事項についての注意や対応についてお話しし、もし不都合が発生した場合は全力を尽くして対応してまいります。

●治療結果には個人差があります。同様の結果が保証されているわけではありません。ご了解ください。