10日前のお月様。
とってもとってもまんまるで、まるで昼間の太陽のよう。
きれいなきれいな光を放ってて、
親子三人、家の中から飛び出した。
「ワオーン」
私はおおかみになった。
子供達は、
昼間のように明るい月の光の下で、
目を輝かせながら、
ぺったんぺったん楽しそうに飛び跳ねる。
かわいいかわいいうさぎになった。
遠くに光る月をじっと見ながら、
おおかみは、
うさぎが楽しそうに踊るのを
ずっとずっといつまでも見ていたいと思った。
たとえ、おなかが空いてても、
うさぎを食べないと、自分が死んじゃうかも知れない状況にいたとしても、
おおかみは、
ウサギ達をじっと眺めているのが、
一番の幸せだと感じた。
うさぎ達はそんなおおかみの気持ちを全く知らない。
おおかみがやさしく見つめてくれるから、
いつまでも、いつまでも、楽しそうに踊る。
時折見せるおおかみの鋭い目も、
「今、機嫌悪いのかな?もっと、楽しくさせてあげよう!」
うさぎ達は一生懸命踊る。
そう思ううさぎ達の踊りを見たら、
おおかみの鋭い目も、
一瞬にしてあたたかい目になった。
ん・・・
子育て・・・ってこんなもんかな・・・
私の大好きな絵本を思いながら、
秋のお月様のあったか~い光を見つめました。
- きむら ゆういち, あべ 弘士
- あらしのよるに