先日、経済産業省のキャリア官僚がブログで
復興支援は無駄だというような暴言の数々を
を書き込んでいたことが話題になった。
結局、本人は特定されてしまい
同省は9月26日付けでこの官僚を
停職2カ月の懲戒処分にしたという。
なんともはや、世も末・・・・。
しかし、日本にはこんなキャリア官僚ばかりではない。
それを知ったのはお馴染みの
『あすなろラボ』。
今回は元・経済産業省官僚で総務大臣秘書官を経て
現在、慶応大学大学院教授の
岸 博幸氏が
ヤンキーと呼ばれる若者達への授業だった。
岸教授は学歴を持たない彼らに対して
どうすれば、収入が増えるかという経済面から
彼らの目線で話しだす。
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『今、自分は大学で教えているから、
皆がどうゆう大変な思いをしているのか、自分なりに
わかっているつもり。
僕としては、今の政治に対して、
若い人達がもっと怒ってほしいと思っているわけ。
では、君たちの声が届くにはどうすればよいか？
まず、市議会レベルの議員なら、
ヤンキーと呼ばれる若者達が結束すれば
一人ぐらい選出する事はできる。
国会議員レベルになるのは大変だけど、
市議会レベルならそんなにハードルは高くない。
一人市議会に仲間を送るだけでもだいぶ違うんだよ。
今の日本は、今の年配者や自称エリート達が悪くしたんだよ。
だけど、彼らに道で喧嘩を売っても何も変わらない。
奴らの土俵で喧嘩しなくちゃ駄目なんだよ。
その土俵というのがまずは市議会。
市議会は、一番自分達の生活に密着している。
たとえば、子供手当てとかも申請すれば、
お金でもらえるものが結構ある。
でも、意外と知らない人は多い。
だから、
税金を払うのは国民の義務だから、きちんと支払う。
その上で、援助してもらえるお金はきちんともらう。
それが、自分の身は自分で守るという事。
また、君たちの職業を見せてもらったけど、
（板金/舗装/建築/運送/解体/職人）
君達の職業というのは、リストラとはあまり関係がない職種だよね。
だから、若いうちは親方の元で修行して、
将来、独立すれば収入はいくらでも増やせる。
オレも、２０代は修行だと思ってなんでもやっていたけど、
３０代からが勝負だと思っていたからね。
修行時代に親方など上の人が気がつかない、
そして今の時代にあった、
世の中がどうゆうモノを欲しがっているか？
それにはどのような技術を勉強しなくてはならないか？
を考える事。
不況だと言っても、どんな仕事でも面白みがあるし、
伸びる部分や儲かっている人はいるわけだから。
これだけは言っておくけど、六本木のセミナーなんかで、
簡単にお金儲け出来るなんていうのは絶対無理だから。
楽して儲かるなんて事は絶対にない。
それより、自分の得意分野で、
体を張って頑張れば必ずある程度は報われるから信じて。
君たちは勘違いしているかもしれないけど
「頭が良いからとか高学歴だから儲かる」
なんてそんな事は絶対に無い！
そうだったら、大企業は皆成功しているはずだけど、
そんな事ないでしょ。
頭が良ければとか高学歴だから儲かるのではなくて
「しっかり頑張った人間は報われる」んだよ。
オレだって、今、体張って頑張っているもん。
オレ、４５歳で結婚して、今５１歳だけど、
まだ子供が３歳と９ヶ月だぜ。
おふくろなんて認知症さ。
いい？もう一度言っておくけど、
君たちが正しい方向で今の自分の仕事を身につけて
独立すれば、儲かるから。
そして、従業員でも雇えば、
周りも幸せにする事ができるんだよ。
君たちのようにヤンキーと呼ばれる若者の良い所は
大学生達にはない
「根性」 がある。
それに上下関係もはっきりしているでしょ。
それって社会にでたら、凄い強みなわけ。
日本の将来を作れるのは君たち次第なんだよ。
今日、君たちのような若者に会えたのは
チャンスだと思っているから何かあったら、
オレはできるだけ君達を応援する。
でもオレは君たちの応援しか出来ないから。
やるのは君達だから。頑張って。』
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岸教授のヤンキーと呼ばれる若者達への経済講義を聞いていて
私は深く心を打たれた。
岸教授は、元官僚で郵政民営化にも携わり、
竹中の政務担当秘書官に就任。
側近として、情報通信政策や郵政民営化などに携わった
エリート中のエリート。
それなのに、学歴がない、
ヤンキーと呼ばれる若者に対しても、
同じ土俵で、同じ目線で対等に、
彼らの成功への道を淡々と説く。
自分の持てる知識を駆使して、
学歴がない若者達が今の日本で
どう、生きていくべきかを
一緒に考え、知恵を授ける。
その、姿勢と人柄に、私は感動して涙ぐんだ。
今の日本の教育では、学歴エリートとなる為には
中学から私立へ通い１２歳からエリートコースに乗るのだから、
将来自分の部下になるような人とは一線を画する環境だ。
その環境ゆえ、経済的負け組の気持ちが
想像できなくなってきている人達が多くなっているという。
必死に自分達は受験勉強をしているからこその勝ち組で、
負け組は努力しなかった人達だからと考える。
冒頭の、暴言を書き込んだキャリア官僚問題は
それを象徴する出来事なのだろう。
そこには困窮している人達にさえ
救いの手をさしのべようという発想がなくなってきている。
しかし、キャリア官僚という世のエリートならば、
その持てる深い知識と教養を駆使して、
弱者を切り捨てるのではなく、
どうか復興支援に救いの手を差し伸べてほしい。
元キャリア官僚であった岸教授は
自分の持てる知識と教養を駆使して
学歴がないヤンキーと呼ばれる若者達が
今の世の中で経済的成功を収める方法を
わかりやすく説き、
彼らを応援するとまで言い切った。
まさに
「ノブレス・オブリージュ」。
（※地位や名誉のある人はいざという時には庶民を命がけで守る精神）
どんな階層からでも慕われ、頼りにされてこその
エリートの使命。
ヤンキー達に「男気のある先生」と言わせ、慕われた
元官僚、岸博幸教授。
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