昨夜、道端でネコに話しかけられた。
しきりに、うったえる様に喋り続けるネコ。
言いたいことは分かってる。

エピコが逝ってからというもの、
道端で多くのネコが此方を向いてミャーと声を掛けてくることが続いたので、
これを、天界と下界のニャンコ通信と称して、声を掛けてくるネコに、「エピコは元気か?」「大丈夫か?」など、伝言を頼んだものだ。

エピコからメッセージを託されたネコ達は、その役目を果たす為に私の前に現れ、一生懸命伝えようとしている。

はたから見れば滑稽かもしれない…
外目を気にせず、いち二分の間、道端のネコと会話をしているのだから。

でも、きっとあるニャンコ通信でエピコからの大切なメッセージだとすれば聞かない訳にはいかない。
此方も伝えたい事が山ほどあるのだから!

そして、昨年のニャンコ通信は何時もよりも長く執拗にそして丁寧だった。

「来週命日やから、一旦帰るで」
「ちゃんとしといてや」
「あれ、用意しとかなあかんで」
「あれってあれの事やで、わかるやろ」
「ちゃんと聞いてる?」

と、でも言われている様な…

返す言葉は、ただ一つ。

「わかってるよ、待ってるよ」

何度も繰り返した。

エピコが選んだメッセンジャーは
容姿がエピコ似で、喋り方もよく似ている。

必死に伝えようとしているメッセンジャーに、「うんうん」と、応えるうちに感謝と伴に目頭が熱くなってしまった事は堪え様がなかった。

数分間のやり取りの後、メッセンジャーは何度も此方を振り向きながらその場を後にして去っていった。

律儀で健気なエピコからのニャンコ通信メッセージ!
確かに受け取った。

さしずめ我が家は今週からイースターだ!

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