第一話 - 5 & BROTHERS CONFLICT ED「I LOVE YOUが聞こえない」 | 月夜の宴

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今宵、お嬢様と一緒に同じ時間を共有できますことを嬉しく思います。


●【主題歌】OVA BROTHERS CONFLICT ED「I LOVE YOUが聞こえない」/ASAHINA Bros.+JULI

ASAHINA Bros.+JULIが再始動 ! !
2013年7月から9月まで放送されたTVアニメ 「BROTHERS CONFLICT」 の新作OVA 「BROTHERS CONFLICT」 EDテーマのリリース決定 !
OVA 「BROTHERS CONFLICT」 EDテーマは今回も、豪華キャスト14名によるキャラクターソング ! !
朝日奈兄弟とジュリの14名による歌唱 !




<雨宮 弦>
「木村さん、これからよろしくお願いします」
<木村 遊>
「あぁ、よろしく、お願いします。
 じゃぁ、まずは関係部署を案内して回ろうか」
<雨宮 弦>
「はい」

にこやかな笑顔を見せて、俺の後に着いてくる彼に、俺はちょっとドキドキしてしまっている。

<木村 遊>
「ここが営業部です。
 たまにカスタマーセンターに絡むような内容も出てくるので、挨拶しておこう。
 ちわーっす!」

俺は彼を連れて営業部のドアを開けた。

<金山 武(かなやま たけし)>
「おぉ、木村!お前から営業部に来るのは珍しいな」
<木村 遊>
「そうっすね~。ここにくると面倒なことに巻き込まれますから」
<金山 武>
「またまたぁ、そういいながらいつもきっちりやってくれるのが木村だからな。
 また頼むぞ~」
<木村 遊>
「へーい。
 あ、そうだ。今日は新人の挨拶にきました」

横に立つ彼の肩を掴んで前に半歩分出す。

<雨宮 弦>
「雨宮 弦です。よろしくお願い致します」
<金山 武>
「へぇ、なんか可愛いですね。年幾つですか?」
<雨宮 弦>
「27です」
<木村 遊>
「え!?に・・・27!?」
<金山 武>
「え?なんだ、お前知らなかったのか?」
<木村 遊>
(まじかよ!年上!?ぜんっぜん見えねぇ!!)
<雨宮 弦>
「いやぁ、僕、よく若く見られるんですよね」
<金山 武>
「いや、見られるっていうレベルじゃない気が・・・」
<木村 遊>
「俺、てっきり新卒だと思った・・・いましたよ!」
<雨宮 弦>
「あ、嫌だなぁ。
 敬語、使わなくていいですよ。
 僕、後輩ですし」
<木村 遊>
「お、おぅ・・・。わ、分かった」

挨拶周りを終えた俺たちは、雨宮さんに与えられたデスクで仕事内容を説明していた。

<雨宮 弦>
「あぁ、わかった。どうりで上手くいかないわけだ」
<木村 遊>
「そう。
 ここを前のページでちゃんと入力しておかないと、ここで審査通らないから気をつけて」
<雨宮 弦>
「うんうん、わかった。
 木村君は教えるの上手なんだね。
 じゃぁ、後はまた一人でやってみるね」
<木村 遊>
「はい。
 またわかんなくなったら呼んで下さい」
<雨宮 弦>
「ありがとう」

雨宮さんもだいぶ俺に慣れてくれたらしく、気楽に声をかけてくれるようになった。

<木村 遊>
(よかった。変に気使ってわかんないところ聞いてこないような人って少なくないからな)

俺は自分のデスクで今日中に仕上げなくてはならない書類を作成しながら、横目で雨宮さんの状況を気にしていたが、恐らく問題ないだろう。

<木村 遊>
(暫くしたら、雨宮さんは斉木さんと一緒に行動することが増えるし、俺の上司・・・だな。
 そうしたら今日みたいに話すこともほとんどなくなってしまうな)

斉木さんと話す内容なんて、業務連絡以外はほぼない。
飲み会にも斉木さんは仕事で来れない、というかもともと好きじゃないのだろう。

<木村 遊>
「くそ・・・意識してんじゃねぇよ、俺・・・」

頭の片隅に芽生え始めた感情に、俺は気付かないふりをした。