マリグナント 凶暴な悪夢 | トンデモ・シネマの開祖

トンデモ・シネマの開祖

トンデモ・シネマな日々を綴る

マリグナント 凶暴な悪夢

 

 

 

マディソンという女性が悪夢にうなされ、その悪夢の通り殺人事件が次々起こる。しかし、それはやがて最大の恐怖に!

 

残念だが、日本では手塚治虫先生が「ブラック・ジャック」(19731978)という漫画の中で、全く同じ話を描いており、他の国では謎となる部分が日本人だけ冒頭の一言で、ネタバレという結果になってしまった。

 

無理矢理、幻想的にしようとしても、ネタバレしている日本人には、しらけ鳥(←死語)なのが残念。

 

むしろ、中盤で刑事も犯人を目撃しているのに、マディソンの妄想として処理する辺りは、台本に無理があり過ぎる気がします。

 

カメラが回転しながら、部屋が溶ける様に変化するトランジションは、とても素敵。

 

ネタバレをしても、監督自身、腕が良いので、アクションシーンなどは中々迫力だし、ストーリー展開も上手いので、観ても損はない。

 

また、全体的にダークヒーロー的な描き方も圧巻だが、監督のジェームズ・ワンの過激過ぎるホラー演出でヒーローでなく、悪魔になってしまった。

 

同じようにヒーローを作ろうとして残酷過ぎて失敗した例としてはサム・ライミ「ダークマン」というトンデモ・ヒーローがいる。

 

そういう意味ではワンはライミの後釜かも。